元アイドルの有名俳優が「ダウン症児者」の劇団指導 今では大学教授…64歳・加納竜の新たな挑戦

八木 純子 八木 純子

 アイドル歌手としてデビューし、俳優としても40年以上にわたり活躍している加納竜さん(64)は現在、大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科舞台芸術コースの教授として次代を担う人材を育成中です。来年1月に神戸で旗揚げ公演するダウン症児者等のメンバーによるミュージカルの監修・指導も手掛けており、自身も舞台に出演します。

アイドル歌手から俳優→今は教授の顔も

 加納竜さんといえば「エロスの海」で1975年にアイドル歌手デビュー。翌年には俳優として松竹映画「愛と誠・完結編」に主演。以降はTVドラマ「刑事犬カール」など数多くのドラマで活躍し「細雪」の舞台やミュージカル「レ・ミゼラブル」でも話題を呼びました。

 そんな加納さんは近年、指導者としての顔も注目されています。その一つが2年前から大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科舞台芸術コースの教授として後進の育成にも尽力されていることです。

 また、ダウン症児者等を対象としたエンターテイメイントスクール「ミュージックボックス」(本部・神戸市中央区)代表の大西正人さんと知り合ったことで、今回、ダウン症児者等のメンバーによる劇団「ルーチアットステラ」の旗揚げ公演などの監修・指導をすることになりました。

 加納さんは「関西の大学で教授をすることになったのも、神戸でダウン症児者や一般の人などにミュージカルの指導をするのも、何かご縁のような感じがします。舞台に出るのも楽しいですが、こうしていろいろな方の指導をさせていただくのも楽しい」と、目を輝かせています。

コロナ禍での指導

 新型コロナの影響もあって、2021年1月公演に向けた本格的な稽古が始まったのは夏ぐらいからです。最初に取材に訪れたのは10月中旬。ダウン症児者と一般の人たちが一緒になって、加納竜さんの指導を受けていました。加納さんの丁寧な指導を受けていたみなさんの真剣なまなざしが印象的でした。

 12月初旬に再度、稽古場を訪問。2カ月の間にみんなすごく上手になっている感じがしました。この日は本番が近づいているせいか、遅くまで稽古が続いていました。

1月16、17日にミュージカル披露

 来年1月17日で阪神淡路大震災から26年が経過します。2021年1月16日(17時30開演)、17日(13時開演)に、その神戸の生田文化会館大ホールで「Pro...ファミリーミュージカル&みんなで楽しむショータイム」が開催されます。

 16日は「食育ミュージカル〜かがやけ魔法の合言葉〜」と「みんなで楽しむショータイム」の2本立て。17日は前日の公演内容に加えて「劇団ルーチアットステラ旗揚げ公演『金のがちょう』」が加わります。※チケットなどの詳細はhttps://m-box.info/2020_12_02_5910.htmlまで

 加納さんは「食育をテーマにしたミュージカルは子どもから大人まで楽しむことができます。歌とダンスで織りなすショータイムも見逃せません。当日はみんなでミュージカルを思い存分楽しんでいただければうれしいです。これを機会に関西でも楽しいイベントを企画していきたいですね」と意気込んでいます。

 もちろん当日は監修・指導だけでなく、ご本人も舞台に出演されます。ファンには見逃せない、加納さんの新たな一面が見られること間違いなしでしょう。

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