「2011年3月末に双葉駅近くで保護
2017年11月まで大切にお世話させて頂きましたので元飼い主の方ご安心ください。
双葉駅再開を知りこの子の里帰りの為来県。」
東日本大震災による被害を乗り越え、今年3月に営業再開したJR双葉駅(福島県双葉町)に設置されている駅ノートの「被災犬ローズちゃん」に関する書き込みがSNS上で大きな話題となっている。
この書き込みを紹介したのは福島県在住の会社員はこざきさん。
「双葉駅に備え付けられてた駅ノートに、こんな書き込みがあった。届くといいなぁ。」という言葉と共に駅ノートの画像を添付したはこざきさんの投稿に対し、 SNSユーザー達からは「涙が……新しいお家で幸せだったこと伝わるといいですね…」「元の飼い主さん若しかしたら逢いたくても逢えない所にいるのかも?そして今やっと再会できたのかも?この犬が来世でも幸せであって欲しいと切に願います。そして、大切に見守ってくれた飼い主さんに敬意を表したいです。」「優しい方と出会えて良かったです。ローズちゃん、安らかに。双葉町の飼い主さんに届きますように。」など数々の感動のコメントが寄せられている。
はこざきさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):双葉駅を訪れ、駅ノートをご覧になったいきさつをお聞かせください。
はこざき:駅の営業は再開したものの住民の帰還はなされていない双葉町でアーティスト集団「株式会社OVER ALLs」が三作品目の壁画を制作中というニュースを見て、12月13日に現地を訪れました。
見学の合間に今年春に再開したばかりの双葉駅周辺を見て歩いていた際、駅のコミュニティスペースに駅ノートがあることに気がつきました。元々、鉄道での旅行が好きなので、駅ノートに興味をもってめくっていると、あの書き込みが目に止まりました。
被災犬ではないものの、我が家にもシェルター育ちの犬がいるので思わず写真を撮りました。10月の書き込みだったのですが、その後ページをめくったけど返信らしい書き込みもなかったので気になってツイートしました。
中将:件の書き込みをご覧になった時のご感想をお聞かせください。
はこざき:私も福島県に住んでいるので、保護主さんの文章に書かれた時系列から、ローズちゃんが過ごした年月と、保護主さんがどれほど愛情深くローズちゃんを大切にしていたかが伝わり、誰かに知って欲しいなという気持ちでツイートしたものの、まさかここまで拡散するとは思いませんでした。
中将:反響についてご感想をお聞かせください。
はこざき:たくさんの人にこの話題に触れてもらえて良かったという単純な気持ちと、ここまで広まった事で「元飼い主さんはもしかしたらもう存命ではないかもしれない、生きていたとしてもSNSなんかやらない世代だろう」とも思いました。ですが、もしかしたら誰か当時を知る人やご親戚などまで届けばいいなと思っています。
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はこざきさんの投稿はTwitterで「5万いいね」を越える大反響を得ているが(2020年12月17日現在)未だ元飼い主の方につながる有力な情報はないようだ。ローズちゃんが幸せな生涯をまっとう出来ただけでも奇跡的なことかもしれないが、できればローズちゃんの保護者やはこざきさんの発信が元飼い主の方に届くことを願いたい。