コロナ禍での妊娠、出産は「制限」「中止」「禁止」の連続…ママたちに精神的な負担が大きく

長岡 杏果 長岡 杏果

いまだ収束の気配を見せない新型コロナウイルスの感染拡大。そんなコロナ禍の中でも新しい命は誕生しています。私の友人にも、今年出産した友人が何人かいます。新しい命の誕生は非常にうれしいことですが、コロナ禍での妊娠・出産は想像以上に大変なものだったようです。出産経験者も初産の友人も当たり前と思っていた状況と異なることに戸惑ったと話していました。

制限・禁止・中止で精神的に負担だった

妊娠から出産するまで、通常ならつわりや精神的な不安も家族で乗り越え、落ち着いて子どもの誕生を心待ちにして過ごす。これが多くの人が描いているマタニティライフだと思います。しかし、コロナ禍で状況は大きく変わりました。

例えば、検診には家族のの付き添いを制限されたり、両親学級なども中止になったりと楽しみがなくなってしまうこともありました。また、妊娠中から入院が必要になったりした人も、面会が制限されているだけでなく、場合によっては禁止となり、一人で過ごす時間が多くなってしまった人もいるようです。

ただでさえ不安を抱えやすい妊娠期にこのような制限が続き、精神的なストレスで情緒が不安定になってしまった人もいると聞きました。ママと赤ちゃんの命を守るための措置とはいえ、妊娠中のママには大きな負担になってしまいますよね。

また、妊娠中だけでなく出産のときもコロナ禍の影響を受けました。出産後の面会を制限する病院が多かったようです。家族の面会だけでなく、ママも退院までは会えなかったという友人もいました。ゆっくりできて、体力の回復に集中できたとポジティブに捉えるしかないと話していましたが、それでも生まれて間もないわが子と一緒に過ごすことができなかったのは、とても残念だったと話していました。

他にも立ち合い出産が禁止された病院も多く、友人の旦那さんも初めての子どものため、立ち合い出産を楽しみにしていましたが、それが叶わず悔しそうでした。

妊娠届の減少

厚生労働省が先月、自治体が1~7月に受理した妊娠届は前年同時期に比べ5.1%減少したと発表しました。減少の要因はいくつか考えられています。まず一つは、雇用情勢の悪化により、先々に不安を覚えた人が結婚・出産を控えたものとみられています。他にも、春先以降、緊急事態宣言の発令により外出自粛で里帰りが困難になり、思い描いていた出産ができなくなった。院内感染も広がり、安心して出産できる環境がないと思った、などの要因が重なり、妊娠届の減少につながったとみられています。

コロナ禍による一時的な妊娠届の減少であれば心配いりませんが、新型コロナの収束が見えないとなると、これを機に少子化が加速し、日本の人口減少を早める可能性も出てきました。昨年の出生数は、86万人となっており、このまま結婚や妊娠を控える傾向が続けば、来年の出生数は70万人台まで落ち込むともいわれています。

安心して生活できる日を

日本の将来を担う子どもが減れば、医療や社会保障の崩壊に繋がります。これからの感染状況がどうなっていくのか、ワクチンや薬の開発はどうなっていくのかなど、多くの人が注目しています。また、安心して出産できる環境が整ってほしいと願うとともに、世界全体が安全に日常生活を送ることができる日が一日も早く訪れることを望んでいます。

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