市電が走る半世紀前の京都の町にタイムトリップ! 京都で写真展、雪の大文字と共演の1枚も

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 秋の夕日を受けながら走行する電車や、雪化粧の大文字を背に走る車両の写真-。1978年に全線廃止された京都市電の懐かしい写真が京都市下京区のギャラリーで展示されています。写真を見て、50年ほど前の市電が走る京都の町にタイムトリップしてみませんか。

 会場の高瀬川・四季AIR(下京区西木屋町通仏光寺下ル)には、「京都の市電 昭和を歩く」などの著作で知られる福田静二さん(71)=京都府長岡京市=が1970年代に撮影した約50点が並びます。

 今回のテーマは「秋、そして冬」。秋の都大路や雪化粧した京都の山並みを背景に走る京都市電の写真などが多くあります。秋では、美しい夕焼けの下を走る電車や、うろこ雲と共する車両といった作品があります。

 冬の光景では、雪をかぶった大文字山(如意ケ嶽)を背にしながら進む市電や、初詣に向かう晴れ着をまとった人などでごった返す停留所付近などがあります。

 初天神の縁日に北野天満宮(京都市上京区)に向かう人々でにぎわう停留所周辺をとらえた1枚からは、ざわめきが聞こえてきそうです。さらに、雪をかぶった神社の鳥居越しに電車が疾走する、京都ならではの写真も展示されています。

 また、会場周辺の9地点の市電が走っていた当時と現在を比較した写真が並ぶ一角や、福田さんの大学鉄道研究会の後輩にあたる佐々木秀隆さんによる京都市電の切符コレクションのコーナーもあります。

 福田さんは「展示して見ていると、改めて市電は良かったなと感じる。町にも人にも身近だった当時を知ってもらえれば」と話します。

 展示は15日まで。入場無料です。

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