京都府伊根町平田の伊根駐在所で飼われているポメラニアン「むぎ」が、住民の人気者になっている。警察の制服を模した前掛けを首に下げ、毎朝、近くの小学校や保育園の前で、勤務員とともに児童や園児らにあいさつ。特殊詐欺の啓発グッズのモデルになるなど、「犬のおまわりさん」として活躍している。
むぎは5歳のオス。伊根駐在所の中川祐一巡査部長(32)によると、性格は穏やかで人懐こく、しっぽを振り自分から寄っていくこともあるという。
中川さんが伊根駐在所勤務になった昨年4月から、毎朝8時ごろに、伊根小と伊根保育園近くの横断歩道の前で一緒に立ち、通学・通園する子どもたちを見守っている。児童らだけでなく、保護者や通行人からも「むぎ君」と声を掛けられたり、頭をなでられたりするなど、今や町のアイドル的存在だ。
伊根町への赴任が決まったあと、駐在所が地元にとって身近な存在になってもらうため、飼っていたむぎに「コスプレ」させることを思いついた。あいさつをしているのは交通量が多い道路。むぎと一緒に立つことで、子どもたちに安全な横断を呼び掛けやすくなっているという。また、イベントなどにも一緒に参加し、住民と駐在所の懸け橋になっている。中川さんは「いつも朝早くからすごく頑張ってくれている。町民に愛され、犯罪を未然に防ぐような存在になってくれれば」と話している。