関ジャニ丸山さんが通った“聖地”の駄菓子店ピンチ 店主が死去、妻は「守り抜きたい」

京都新聞社 京都新聞社

 人気アイドルグループ「関ジャニ∞(エイト)」の丸山隆平さん(36)が小学生のころから通い、ファンの“聖地”として知られる京都市右京区の駄菓子店「美と屋」が苦境に立たされている。2年前に店主室田邦夫さんが亡くなったことに加え、コロナ禍で客が激減したためだ。現在は、妻の美都子さん(78)が「ファンのためにも店を守り抜きたい」と奮闘している。

 1979年に開店し、当初は美都子さんが調味料やインスタントラーメンなどを扱う店として営業した。93年に邦夫さんが会社を退職後、駄菓子店に切り替え、2人で営んできた。

 店では、邦夫さんお手製の、じゃがいもをすりつぶし、片栗粉と混ぜて揚げた「ポテト餅」や、だし巻きをパン粉にまぶして揚げた「黄金フライ」が人気メニュー。「丸山君がやってきたのは小学2、3年の時だったかな」と、美都子さんは振り返る。夏休み、丸山さんが図書館で知り合った友人を連れてきた時、顔見知りになった。

 丸山さんは芸能活動を始めた後も、店に顔を出した。店内には「いつもありがと☆」と書かれたサインや、邦夫さん、美都子さんとのツーショット写真が掲げられている。

 店の評判は“エイター”と呼ばれる熱心なファンに、口コミで広がった。エイターが持ち寄った、丸山さんへのメッセージをつづったブロマイド写真や似顔絵、手作りのうちわなども店内に飾られている。台湾や中国からも大勢訪れた。美都子さんは「ファンからは『元気で続けてください』とよく言われます」とほほ笑む。

 2018年1月、邦夫さんが肺炎で亡くなってからは、美都子さんが一人で切り盛りした。しかし、昨年10月から足腰の具合が悪くなり、長男と長女に手伝ってもらいながらお店を続けた。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で、海外からの客足は途絶えた。1カ月間休業し、再開後は時短営業するように。年中無休の営業も、美都子さんがデイサービスに通い始めたため、水曜が定休日となった。

 全盛期には1日100人以上来店していた子どもたちは、現在10人以下に減っている、という。美都子さんは「また丸山君や子どもたちにも来てもらいたい。何より、夫との思い出が詰まったお店。ずっと続けていきたい」と前向きに語った。

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