ブラックホールをかたどった顔出しパネル看板がSNS上で大きな注目を集めている。
件の顔出しパネルは卓球コラムニストの伊藤条太さんが紹介したもの。
伊藤条太さんのツイート
「実家の近くに緯度観測所があるので行ってみたのだが、まさかブラックホールの顔出しパネルがあろうとは誰が想像できただろうか?」
その異色のインパクトに圧倒されたSNSユーザー達からは
「このツイートみて行ってきました! 最近地学をテーマにしたアニメ見たばっかりだったので楽しめました! ありがとうございます!」
「小学生たちがこのパネルから顔を出し、口から水を吹き出して「ホーキング放射!」と笑ってるのを見ました。」
「人生で一番顔出ししてみたいパネルになりました。」
など数々のコメントが寄せられている。この顔出しパネルはいったいどこで撮影されたものなのだろうか?またどのような目的で設置されているものなのだろうか?伊藤条太さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ:この顔出しパネルの写真はどちらで撮影されたのでしょうか?
伊藤:岩手県奥州市の国立天文台水沢です。実家に行った際に特に期待もせずに天文台を見学に行ったところ、直径20メートルの巨大なアンテナが「ガーッ」と音を立てて首を振っているのが遠くから見えました。大きさを実感しようと近くに歩いていくと、突然「ブラックホール」が目に飛び込んできた次第です。
中将:キャラクターのものはよくありますが、まさかブラックホールがあるとは意外ですよね…。
伊藤:「なんてバカげたパネルだろう」と思いましたが、裏に執拗なまでに平仮名で書いてある丁寧な説明に、制作者たちの科学に対する情熱と、どうにかしてそれを子供たち(=未来の科学者たち)に伝えたいという思いが伝わってきました。その熱量とは裏腹の寂れた様子がなんとも物悲しく、脱力系ツイートのネタになればと撮影に至りました。
中将:制作者の思いが伊藤さんのツイートによって大発信される形となりました。反響についてどう感じておられますか。
伊藤:投稿するときはさほど面白いとも思っていませんでしたが、大きな反響をいただいてからあらためて見ると「確かに面白い」と思うようになりました。
私の本業は卓球コラムニストなのですが、これまでに書いてきた原稿は、この「顔出しパネル」のインパクトに到底及ばないことがはっきりしてしまいました…。
【伊藤条太さんプロフィール】
1964年岩手県生まれ。卓球コラムニスト、卓球史研究家。月刊誌「卓球王国」などで執筆。 著書『ようこそ卓球地獄へ』、NHK、日本テレビ、TBS等メディア出演多数。11月6日(新宿Naked LOFT)、11月7日(埼玉県・草加卓球場)には卓球漫談のトークライブに出演予定(ネット配信有)。
伊藤条太記事一覧:https://itojota.amebaownd.com/posts/7625313
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また伊藤さんからいただいた情報をもとに調査したところ、この顔出しパネルは国立天文台水沢VLBI観測所の関わる国際チームが巨大ブラックホールのある「M87銀河」の撮影に成功したことを記念して昨年4月から設置されているものだということがわかった。
顔出しパネルに込められた制作者たちの科学に対する情熱と、それを次世代に伝えたいという熱い思い…心惹かれる方はぜひ国立天文台水沢を訪れこの顔出しパネルで記念撮影していただきたいと思う。