売れっ子女優に「ポンコツ店員」の過去、今もコンビニに籍あり 伊藤沙莉インタビュー

石井 隼人 石井 隼人

そんなアルバイト経験を通して認識したのは、自分には好きな芝居でしか生きる道は残されていないという覚悟。「ことごとく何もかもが向いておらず、今の仕事しかできなかった。ちゃんとできているのかどうかはわかりませんが、でも女優業以外で褒められたためしがない。家族からは『芝居があって本当に良かったねぇ』と言われるので、ある意味で天職なのかもしれません」と命運と受け止めている。

作家・桜木紫乃による直木賞受賞作を映画化した『ホテルローヤル』(11月13日公開)を含む、今年9作品もの公開作に出演。女優業が堅調の現在は掛け持ちでアルバイトをすることはないが「私がバイトしたコンビニの店長さんが凄く優しい方で、いまだに籍を残してくれています。『女優としての仕事がなくなったらシフトを入れさせて!』と伝えているので、いつでも雇ってくれるはず」と広い心に感謝しきり。

クレームばかりのアルバイトにも関わらず、今も籍を置いてくれているとは不可解だ。そこには伊藤の不思議な人柄が数々の失態をカバーしてきたというカラクリがある。「レジ打ちの最中に寝てしまったときはさすがに怒られましたが、寝るにしても私はウトウトじゃなくて気絶したように一瞬でガン!と落ちる。悪気は本当にないんです。その悪気のなさが店長や同僚にも伝わっていたようで『伊藤さんお疲れですねえ』と。周りも責めようがなかったのかな?」と反省しながら自己分析している。

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