対応方法
1.活動や遊びの中で目のコントロール力を養う
意外に思われるかも知れませんが、昔ながらの遊び(伝承遊び)は、目のコントロール力をアップさせるのに効果的な遊びが多くあります。例えば、上記でもご紹介した「折り紙」は、目でしっかりと折る場所を見るため、目を使う機会が持てます。また、「ハンカチ落とし」では、周囲を回っている人(鬼)をしっかりと見る必要があるため、自然に目を使う練習ができます。さらに、「ミッケ」や「ウォーリーをさがせ」のような絵本は、「目を使って、対象物を探し出す」という練習にもなります。
2.環境を整える
子どもに頑張らせるだけでなく、環境を整えてあげることも大切です。
例えば、教室では前の方に座ることで、黒板が見やすくなり、また他の視覚刺激が入りにくくなるため、より授業に集中しやすくなります。お家での取り組みとしては、勉強机の上を整理し、必要なものだけを置くといったシンプルな環境にしてあげることも効果的です。教室と同様に、目に入ってくる情報を少なくしてあげることで、対象に向かいやすくなるためです。
3.タブレットなどICT機器を活用する
加えて可能であれば、タブレットなどのICT機器を導入することで、より学習が行いやすくなるでしょう。例えば、教室では板書をiPadで撮影し、その画面を見ながら問題を解くなどすれば、じっくりと問題を見ることができます。また、板書が消された場合でも、後で先程撮影した板書を再度確認することができます。自宅では、問題集とノートの間を目で往復することに苦手さがある場合、タブレット学習に特化した問題集(PDFファイルなど)を表示し、その画面上で問題を解くことで、効果的な学習が行えます。
まとめ
目のコントロール力に弱さがあるお子さんは、小学校高学年になると、授業スピードが速くなる、板書のスピードや文字が小さくなる、などが原因で、学習の遅れが目立ってくることがあります。そういった場合は、間違った問題を繰り返し解かせるといった従来の学習方法を行う前に、目のコントロール力の弱さが隠れていないかどうかチェックしてみましょう。もし、目のコントロール力が弱い場合は、活動や遊びの中で目を使う練習をしたり、視覚的に落ち着いて学べる環境を整えたり、タブレットなどを上手く活用することで、学習の底上げを図ってあげましょう。