日本で集団免疫が確立している?…研究者が提唱 コロナの死亡者数が日本で少ない理由か

ドクター備忘録

谷光 利昭 谷光 利昭

 秋に入っても新型コロナの猛威は続いています。ただ、全国の数字を見てみると8月7日の陽性者数1595人をピークに9月14日には265人と減少しております。死亡者数は漸増していますが累積陽性者数と比べると微々たるものです。

 8月31日現在の人口10万あたりの死亡者数はペルー(88・0人)が1位で、次いでベルギー、スペイン、イギリス。アメリカは55・6人で9位です。日本は1・0人と驚異的な少なさです。この原因はまだはっきりと分かっていません。

 土足で家に上がらない、清潔好きなどの国民性、BCGワクチンなど多くの説がありますが、京都大学特任教授の上久保医師は違う説を唱えておられます。我々日本人はすでに集団免疫が成立しているという説です。

 簡単に説明しますと、コロナウイルスは大別するとS、K、Gの3タイプがあります。Sのみに罹患(りかん)してもおおむね無症状で、Sから変異したKに罹患すると軽症で済みます。しかし、突然変異型とされるGに感染すると重症化しやすいです。欧米で流行しているのがGなのです。

 また、Sのみに感染してKに感染せずに、Gに感染した人は「抗体依存性感染増強(ADE)」効果により、更に重症化してしまうのです。ですから、欧米のように早期にロックダウンしたところはSやKが入らぬままGが入り重症化の患者さんが増えました。

 日本では当初、中国からの渡航を禁止してなかったことが不幸中の幸いで、S、Kのウイルスが広がり集団免疫が確立したという考え方です。言われてみると、今年の冬はインフルエンザ検査をしても陽性の確率が低く、変な風邪が流行(はや)っているなという印象はありました。

 上久保医師によると第2波は来ないので、過度の自粛は失業率を増やし、自殺する人が多くなるので解除すべきとのことです。心情的には、この見解が正しく、以前の生活に戻りたいと願ってやみません。

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