思いのほか盛り上がってしまい、もちろん色んな立場や状況の方もいらっしゃるので、大丈夫かという心配は正直ありましたが、最後はみなさんから温かい声援を頂けたと思っています。
中将:たしかに日常では絶対NGですよね(笑)。でも奥野さんたちの演奏は、細かなルールを超えて他の乗客の方や駅の関係者の方の心に響いたのだと思います。
演奏はいつまで続けられたのでしょうか?
奥野:その後、遅れに遅れていた終電が2時過ぎに動いたので無事乗車しました。途中、演奏を止められることは一度もありませんでした。
いよいよ終電が動いて駅員さんからカードをもらった時点では、ホッとしたというか、本来は演奏は絶対ダメだと思うので、感謝して頂いて助かったなあというのが正直な気持ちです。臨機応変にご対応頂き、ありがたく思っております。状況が状況なので演奏することについて賛否あるかと思いますが、自分達としては、少しでも明るい気持ちになった方がいらっしゃるならばやってよかったと感じております。
「奥野祐樹 (おくのゆうき)」プロフィール
サクソフォン奏者。
神奈川県横浜市出身。12歳からサクソフォンを始める。昭和音楽大学卒業。現在、サクソフォン四重奏「Adam」でバリトンサクソフォンを担当するほかソロ、アンサンブル、吹奏楽などを中心にジャンルを問わない精力的な演奏活動を展開している。2020年からは選定楽器販売サービス「MOUTON STORE」(株式会社Mouton&Company)の代表を務める。
「Adam」
公式ブログ:https://ameblo.jp/adam-sax/
Twitterアカウント:https://twitter.com/Adam_sax_japan
「MOUTON STORE」
公式サイト:https://www.mouton-store.com/
Twitterアカウント:https://twitter.com/MoutonStore
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公共の場所での演奏がとかく制限されがちな日本だが、奥野さんたちの演奏がその場に居合わせた皆に受け入れられたというのはなんとも痛快だ。いつでも、誰でも駅のホームで演奏して良いというわけではないが、場合によってはこんなことも許されるのだという良い先例として、このセッションが多くの人の記憶に刻まれることを期待したい。