オルガンと鍵盤、紙袋とバゲット、クリームソーダとアイスクリーム…こちらは「正和堂書店」(大阪市鶴見区)のオリジナルブックカバーとしおりです。SNSでも注目を集め、同店のInstagramアカウントを7.1万人(2020年9月現在)がフォロー中。こんなステキなカバーをつけたら、読書の秋をより楽しく過ごせそうですね!
「正和堂書店」は今年で創業50周年を迎える本屋さんです。ブックカバーをデザインしているのは初代のお孫さんにあたる小西康裕さん。平日は販促関係のお仕事をしつつ、土日の時間を活用してブックカバーのデザインをしています。
同店は2017年から毎日おすすめの本をSNSで発信。フォロワー数は伸びましたが来店者数は伸び悩み、来店の動機を作る狙いでブックカバーの制作を始めたそう。同年8月に第1作を制作し配布。今年の9月に配布した新作のクリームソーダのブックカバーが10作目になります。デザインのインスピレーションはどこから得るのか小西さんに聞きました。
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――本当に素敵なブックカバーですね。
ありがとうございます。ブックカバーは普段使わない派だけどこれなら使いたいとか、何年も本は買ってないけどこのブックカバーが欲しいから本を買おうかな、などとブックカバーが起点となり、皆さんの読書のきっかけに貢献できているようでうれしいです。
ブックカバーのために北海道から沖縄、一番遠方ではバリから訪問してくれる方もいます。本はどこで買っても同じですが、本屋に行く楽しみのひとつになれたようで、それもうれしいですね。
――インスピレーションはどこから?
街中やSNSなどでモチーフにできそうなものがないか、日ごろから意識して見るようにしています。しおりとカバーはセットでデザインを考えてはいますが、どちらかが欠けても単体で成り立つような意匠を心がけています。
基本的にはイラストレーターでデザイン制作していますが、背面のテクスチャーなどが必要な時は、フォトショップを利用しています。
――1回でどのくらいの数量を配布しますか。
新作は毎回100枚ほどご用意しますがすぐになくなってしまいます。遠方からご来店くださる方のためにも、店頭でいずれかのブックカバーをお渡しできるようにしています。
――今後はどんなデザインを?
『本を贈る』をテーマにしたブックカバーを作りたいなと思っています。まだ詳細は未定ですが、他企業とのコラボ企画も進んでいます。
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また、今までとはちょっとテイストの違う新しい感じのデザインにも挑戦していきたい、という小西さん。ぜひこれからもオリジナリティあふれる発想で素敵なブックカバーとしおりを作り続けて欲しいですね。
■同店のInstagramアカウント https://www.instagram.com/seiwado.book.store/