クーピーペンシルで気になる「トレイの溝」は何のため?…メーカーに聞いてみた

金井 かおる 金井 かおる

 神戸市出身で東京在住のコンピューターグラフィックデザイナー、岡本晃さんが5月3日、こんなツイートをしました。

 <クーピーの横筋 ヘコミディティール部分 意味のあるデザインな気がしてならない クーピープロフェッショナルの間では ソレ常識でしょ!的な用法があるんだろうか?>

 このツイートは、岡本さん宅のほのぼの一家だんらんの中で生まれました。岡本さん夫婦が絵を描くお子さんを見守っていたときのこと。奥様が唐突に「この溝って何?」と質問したそうです。答えを持ち合わせていなかった岡本さんは、「それ誰か知ってるかもしらんから聞いてみるよ」とツイッターに投稿したといいます。

 このツイートを読み、筆者も子どもの頃の記憶がよみがえりました。「これ何や?」とクーピーで何度もなぞっては「色つかへんな」とあきらめたことを。

クーピーの溝、実は…

 クーピーのケースの中に溝があるのは、18、24、30色入りのみ。12、15、60色のセットにはありませんでした。岡本さん一家と幼い頃の自分の疑問を解消しようと、クーピーペンシルのメーカー、サクラクレパス(大阪市中央区)の広報担当者に尋ねてみました。

 --クーピーのケースの中の溝って…。

 「プラスチックトレイ上の線になったくぼみですね?」

 --はい。これ何のためにあるんですか?

 「これはトレイの強度のためです。くぼみがあることで衝撃の力が分散したり、ねじりに強くなって、薄いトレイでも破損しにくくなります。逆にくぼみがないと力が加わった時、大きな力となってトレイ面が破損する恐れがあるためです」

 過去に数回だけ質問が寄せられたという、同社担当者の間では共有している「クーピートリビア」でした。

クーピーってどんな意味?

 トリビアつながりで、クーピーペンシルの名前の由来ってご存じですか?

「クーピー」とは、フランス語で「打つ、一撃」の意味を持つ「COUP(クー)」という単語をもとにした造語なんです。打つと一撃とは、なんともワイルドな…と思いますよね。そこにもちゃんと理由がありました。同商品が初めて発売されたのは1973年。当時、軸全体が芯で、消しゴムで消せる色鉛筆はなく、画期的な商品でした。そこで「色鉛筆市場に一撃を加えたい」という強い信念が商品名に込められました。

コラボ商品、注文が急増

 同社広報担当者によると、新型コロナによるおうちタイムが始まって以降、塗り絵人口が増え、クーピーペンシルの需要も増えたそうです。塗り絵13点とクーピーペンシル22色がセットになった書籍「大人の塗り絵 クーピーBOX」(河出書房新社・2,750円)は、2006年3月に発売されたにもかかわらず、2020年4月は書店からの注文が増え、売り上げも急激に増加。緻密な塗り絵イラストと、この書籍のためだけにセレクトされた大人向けのレトロな色目が人気の秘密のようです。

浅田真央さんも塗り絵を披露

 冬季五輪メダリストでプロフィギュアスケーターの浅田真央さんも塗り絵好きで知られます。浅田さんは現役時代から集中力を養うために大人の塗り絵にチャレンジしていることを公表。2015年の記者会見でも、マイブームを大人の塗り絵と回答。最近でも自身のインスタグラムに「#大人の塗り絵」というハッシュタグとともに、たびたび作品を発表しています。見ているこちらまで心癒される作品の数々は必見です。浅田真央さんインスタグラム(maoasada2509)

   ◇   ◇

 岡本家のみなさま、クーピーの溝にはこんな理由がありました。納得していただけましたでしょうか。

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