神戸市出身で東京在住のコンピューターグラフィックデザイナー、岡本晃さんが5月3日、こんなツイートをしました。
<クーピーの横筋 ヘコミディティール部分 意味のあるデザインな気がしてならない クーピープロフェッショナルの間では ソレ常識でしょ!的な用法があるんだろうか?>
このツイートは、岡本さん宅のほのぼの一家だんらんの中で生まれました。岡本さん夫婦が絵を描くお子さんを見守っていたときのこと。奥様が唐突に「この溝って何?」と質問したそうです。答えを持ち合わせていなかった岡本さんは、「それ誰か知ってるかもしらんから聞いてみるよ」とツイッターに投稿したといいます。
このツイートを読み、筆者も子どもの頃の記憶がよみがえりました。「これ何や?」とクーピーで何度もなぞっては「色つかへんな」とあきらめたことを。
クーピーの溝、実は…
岡本さん一家と幼い頃の自分の疑問を解消しようと、クーピーペンシルのメーカー、サクラクレパス(大阪市中央区)の広報担当者に尋ねてみました。
--クーピーのケースの中の溝って…。
「プラスチックトレイ上の線になったくぼみですね?」
--はい。これ何のためにあるんですか?
「これはトレイの強度のためです。くぼみがあることで衝撃の力が分散したり、ねじりに強くなって、薄いトレイでも破損しにくくなります。逆にくぼみがないと力が加わった時、大きな力となってトレイ面が破損する恐れがあるためです」
過去に数回だけ質問が寄せられたという、同社担当者の間では共有している「クーピートリビア」でした。
クーピーってどんな意味?
トリビアつながりで、クーピーペンシルの名前の由来ってご存じですか?
「クーピー」とは、フランス語で「打つ、一撃」の意味を持つ「COUP(クー)」という単語をもとにした造語なんです。打つと一撃とは、なんともワイルドな…と思いますよね。そこにもちゃんと理由がありました。同商品が初めて発売されたのは1973年。当時、軸全体が芯で、消しゴムで消せる色鉛筆はなく、画期的な商品でした。そこで「色鉛筆市場に一撃を加えたい」という強い信念が商品名に込められました。