伊勢谷容疑者 逮捕時期に警視庁の人事異動が影響か…家宅捜索に踏み切った理由は?

小川 泰平 小川 泰平
伊勢谷友介容疑者
伊勢谷友介容疑者

 俳優の伊勢谷友介容疑者が都内の自宅で大麻を所持していた大麻取締法違反の疑いで警視庁組織犯罪対策5課に現行犯逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は9日、当サイトの取材に対し、逮捕のタイミングや常習性、家宅捜索に踏み切った理由などについて解説した。

 まずは8日の逮捕というタイミングについて、さまざまな憶測を呼んだことに注目した。伊勢谷容疑者が警察学校の教官役で出演していた日本テレビ系ドラマ「未満警察」の最終回(5日)を待って、警察はドラマの終了後の週明けに動いたのではないかという推測も一部でささやかれていた。

 小川氏は「逮捕当日、その件について警察関係者に取材しました。最終回が土曜日で、その3日後に逮捕ということで、偶然にしてもあまりにもタイミングがよすぎるのではないかという話をしましたら、『警視庁は9月初めに人事異動があり、それが一段落したタイミングもあり、今週になった。警察がドラマの最終回に忖度するようなことはない』とのことでした。つまり、人事異動がもう1週間早ければ、最終回の前に逮捕されていた可能性もあったわけです」と説明した。

 その上で、小川氏は伊勢谷容疑者の常習性について「まず、巻紙が500枚も残っていたことが1つ。その巻紙は机の上に放置され、大麻は引き出しにあった。これは『隠匿』ではない。その辺に置いてあったということは、最近始めたという初心者ではなく、かなりの常習性があったといえる。初心者の場合、出してくるのがめんどくさくなるような大変な場所に隠すものだが、常習者になると、何事もないので、安心してカバンに入れたり、机の引き出しや机上に放置したりする」と指摘した。

 さらに伊勢谷容疑者が認否について「弁護士さんが来てからお話ししたいと思います」と供述していることに対し、小川氏は「薬物犯は単独でできるものではなく、誰かから購入もしくは譲渡されている。必ず共犯者がいるわけです。そのあたりをどこまで警察が知っているのか、自分はどこまで話をすればいいものか、常習性についても同様で、1人では判断できない状況から『弁護士に相談したい』という話になった可能性もある。もう一つは、予期せぬ逮捕によって動揺して、何をどう話していいのかすら分からないという心理状態だったことも考えられます」と分析した。

 かねてから疑惑があったと一部で報じられたことについて、小川氏は「よく番組等で『次は著名人の●●さんが逮捕されると言われていますが、本当ですか?』などと聞かれますが、実際にどうなのか分からないケースが多い。噂先行です。逮捕されてから『噂があった』という『後出し』の話が多い。『何年も前から警察が捜査していた』という話についても、内偵捜査はやっても数カ月ですし、著名人の場合であれば3カ月から半年くらいはするかもしれないが、1年も2年も捜査するとは考えにくい、一旦中断し、内偵を再開する場合はある」と説明。同容疑者について「昔」から内偵されていたという説を否定した。

 さらに警視庁が家宅捜索に踏み切った理由について、小川氏は「確度の高い情報があったためと説明しているが、影響力のある著名人宅を捜索する場合は、相当慎重に着手するものです。捜索はしたが、(違法薬物類は)何も出ませんでしたでは済まされない。しかも覚醒剤事犯と違い、採尿し、使用では逮捕できないわけで、必ずモノ(大麻)が出るとの確信のもと着手したものと思われる。押収の量も20グラムを超えており、個人宅からの押収にしては多い」と解説した。

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