事務所移籍の瀧内公美、女優人生の決断を語る「表現の幅を狭めたくない」

石井 隼人 石井 隼人

芸能界で移籍や独立が増えている。9月25日公開の映画『蒲田前奏曲』に主演する瀧内公美(30)も移籍を経験した一人。2018年に約6年間所属した大手芸能事務所を退所し、舞台方面に強い現在の事務所に移籍した。直後に主演した映画『火口のふたり』(2019)で高い評価を受け、テレビドラマの世界でも安定の演技を見せている。決断を契機にキャリアを大きく前進。女優としてのターニングポイントになった移籍に至る心境を聞いた。

きっかけは、デリヘル嬢を体当たりで演じた映画『彼女の人生は間違いじゃない』(2017)。瀧内に初めての映画賞をもたらした思い出深い作品だ。「この作品に影響を受けて、これからもお芝居をやっていきたい、表現の幅を狭めたくないという気持ちが湧きました。まだまだ経験値も足りないし、もっともっと失敗を繰り返さないと、という自分自身への焦りと年齢のことは気にしていました。そのときに一度リセットして、自分のことを見つめ直したいと思ったんです。わがままではありますが、私がやりたいものに関して『いいね!すぐにやろう!』という環境を探したいな、と思いました」。

30歳を目前にした決断。「日本はエージェント方式でやっているような海外とはシステムが違うし、俳優の労働組合もない。そう考えるとフリーランスとして活動するのは私には出来ない。そもそも30代手前の私を受け入れてくれるような事務所なんてあるの!?」という不安はあった。しかし表現欲求がそれを上回った。「自分がその作品に惚れれば、どんな大胆な表現についても気にはなりません。作品として面白ければやりたいという気持ちが勝る。やりたいことがやれないことの方が、私としては苦しい」と迷いはなかった。

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