事務所移籍の瀧内公美、女優人生の決断を語る「表現の幅を狭めたくない」

石井 隼人 石井 隼人

木野花や石橋けいなど、舞台で重宝される俳優を有する少数精鋭の吉住モータースに転属。「色々な会社とお会いする中で、一番私の考えを大切にしてくれた事務所。やりたい作品同様に私自身も我の強いタイプなので、そんな私の話を社長は何度も時間をかけて聞いてくれた。これだけ我慢強い人でなければダメだと思った」と自虐を交えつつ出会いを喜ぶ。

のちに女優としての評価を一段と高める『火口のふたり』の主演打診が来た際も「社長は“中途半端になるのはダサい。やるならば思い切り”と背中を押してくれました。女優を守ることも大切ですが、作品のためのベストを一緒になって考えてくれるマネジメントがいるのは私にとっては心強い」と並走を実感することができた。

移籍という決断は、演じる姿勢にも変化を与えた。「以前は正解を求めてしまい、間違っていたらどうしようという不安が勝っていたけれど、今はトライ・アンド・エラーができる。自分が好きだと思う作風の作品に呼んでいただけるのは幸せなこと。この作品に出たい、こういう役がやりたいと思うものに出られたときは続けてきて良かったと思う。改めて女優業は魅力的なお仕事だと思っています」と意欲的に試行錯誤を繰り返している。

女優の​松林うららがプロデュースし、日本映画界の若手実力派監督が集結したオムニバス映画『蒲田前奏曲』。瀧内は、セクハラや#MeTooの実体験やエピソードを話すオーディションに参加する女優の黒川を演じる。かつて自分にセクハラをしてきた映画監督を目の前に心の内をぶつけていく。「オーディションというシチュエーションはリアルですが、実際のオーディションだったら言わないことです。台本の中にあった、オーディションで感じる圧力や違和感を言葉にできたのは映画の中だからこそ」と話している。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース