連想クイズ芸人SAKURAI、マントル生活22年「これが最後」でブレイクの予感

石井 隼人 石井 隼人
どうしても伝えたいSAKURAI(撮影:石井隼人)
どうしても伝えたいSAKURAI(撮影:石井隼人)

連想ネタを思いついたのは昨年の秋ごろ。派遣登録会社に行く道中の電車内で、ふと「こっちのドアばかり開くなあ」と連想ネタのアイデアとメロディーが降りてきた。芸人の間で面白いと話題になり、深夜のバラエティ番組『有田ジェネレーション』で披露したら火が付いた。それまでテレビもラジオも出たことがないという経歴もウケた。ブレイクのきっかけをつかむネタを生み出して約1年、徐々にだが地上へと浮上する躍動を感じている。

「結婚したり家族を持ったりしたらお笑いが続けられなくなると思って、すべて諦めてきました。でも40歳を目前にして急に現実が襲ってきた。もうこれが最後だと、月7本だった無給のお笑いライブの出演を倍にしたりして、借金しながらもお笑いと向き合いました。その結果ネタのアイデアが出てくるようになったんです」。

雲の上の存在だったお笑い芸人も連想クイズネタに太鼓判だ。「ネタの途中に合いの手のように入る“HA!”というところに松本人志さんや今田耕司さんが反応してくれたり、大竹まことさんからは“HA!”だけ欲しいとも言われました」と嬉しそう。ライバルはお笑い界を席巻中の第7世代だが「若さ、はだつや、ファンの数、SNSフォロワー数、歩んできた道、すべてにおいて負けている」と白旗を上げつつ「そんな状況の中で来月42歳になる僕を使ってくれるなんて本当にありがたい」と静かに喜びを噛みしめている。

今年初めてお笑い芸人としての給料をもらったが「今もスーパーの早朝品出しバイトと夜間のレジ打ちをしています。恥ずかしくてお笑い芸人という素性は隠していて、ネット会社の共同経営者という設定で2年働いています。最近は僕がSAKURAIであるということがバレ始めているようで、休憩室に僕が入るとみんなの雑談が止まる。スーパーの仲間たちにいつか、俺がSAKURAIだ!と伝えたい」と笑う。

書籍については「学校でもきっと流行ると思うので、小中学生とその保護者にぜひ読んでほしいです。メロディーはF♯mとEしか使っていないので、ギターさえあれば誰でも弾けます。宴会や結婚式の余興で活用してもらえたら」と期待を込める。芸歴22年目の目標は「ネタ番組や賞レースで結果を出すこと。コロナ禍ではありますが、いつか音楽フェスのステージで連想クイズネタをやってみたい」。ひねくれた気持ちも徐々にほぐれつつある。本格的ブレイクとなるか。ここからが勝負。

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