「それ、違法だよ」を遊びながら学べるすごろく登場!ハマり要素満載で、プレイするほどに法律に強くなる

鶴野 浩己 鶴野 浩己

突然ですが、問題です。

「インターネットのSNSで『〇〇君の家は貧乏だ』などと友達の悪口を書いても、犯罪になることはない?」

今年6月に幻冬舎から発売された「こども六法すごろく」は、こうしたクイズに答えながらゴールを目指すすごろくだ。2019年に発売した子ども向け法律書のベストセラー「こども六法」の準拠教材という位置づけ。対象年齢は小学校高学年以上だが、「こども六法」の著者で、「こども六法すごろく」開発者の山崎聡一郎さんによると「意外に、小学校中学年くらいの子も楽しんで遊んでくれる」とのこと。大人にとってもなんだか難しく、どこか他人事に感じてしまう法律だが、このすごろくでは、法律の基本や考え方を、遊びながら学べるよう工夫されている。何度かプレイすれば、子どもが大人を論破するほどの知識を身に付ける可能性も十分。我が子に知識で負けないためにも、ぜひ家族で遊んでみてほしいゲームだ。

遊ぶほど強くなる。だからハマる!

遊び方は一般的なすごろくと同様に、順番にサイコロを振り、出た目の数だけコマを進めていくもの。マスには「クイズ」と「イベント」が用意されていて、クリアすればそれぞれポイントがもらえる。ゴールの順位に応じてもらえるポイントと、クイズカード・イベントカードのポイント合計が最も高い人の勝ちだ。

クイズはレベル1~3まであり、すべて〇か×で回答。答えは別冊の「遊び方ガイド」に掲載されていて、「なぜそうなのか」といった解説もついている。

中でも面白いのが、レベル3のクイズだけに適用される「異議申立て制度」というルール。カードを引いたプレイヤーの答えが間違っていると感じたら、「異議あり!」と申し出て、自分の答えが正しい理由を説明することができる。その際に、解説キーワードとして設定された「自白法則」「推定無罪の原則」などの法律用語を使って説明ができれば、そのカードポイントは異議申立てをしたプレイヤーがゲットできる。「まぐれで勝つことがありつつも、基本的には勉強するほど強くなれるように工夫しました」(山崎さん)。

一方のイベントカードは全5種類。例えば、「富の再分配イベント」は、カードを引いたプレイヤーがサイコロを2回振って出た目の合計数を、プレイヤー全員に割り振ってマスを進められるもの。誰が何マス進むのか、分配は皆で話し合って決めるため、お金持ちの人(すごろくで先に進んでいる人)と貧乏な人(遅れている人)の格差を縮めること=「自由と平等のバランス」が学べるようになっている。

その他のイベントも、税金の仕組みが学べる「累進課税ゲーム」「公共財購入イベント」など、プレイヤー同士でディスカッションしながら学びを深められるものを用意した。

「子どもたちに、法律は実は身近なものだと気づいてもらいたい。だから、ただの知識としてではなく、法律の背景や考え方、意図を理解できるように制作しました」と山崎さん。

六法のうち、子どもに関係が薄い商法を除き、少年法といじめ防止対策推進法を出題範囲に追加。「今後の生活に密接にかかわる」として、SNSの使い方に関する問題も加えた。

購入者からは「小学校高学年と低学年の兄弟で遊ばせたら、お兄ちゃんが弟に、内容をかみ砕いて説明しながら2人で楽しく遊んでいた。それぞれに学びがあるようだ」「父親である僕がわからない問題を、子ども六法を読み込んだ息子(小学校3年生)が正解していた。負けられない」といった声が。実際にすごろくで遊ぶイベントでは、参加者が皆、帰りに商品を購入していったという。

「法律の専門家である弁護士の先生方に監修をお願いしたので、大人も十分楽しめる内容になっています。家族ではもちろん、SNS利用率の高い中高生の子どもさんにも遊んでもらえるとうれしいですね」。

こども六法で扱う法律は、私たちの生活に密接にかかわるものばかり。すごろくを通して楽しく学びを深められれば、家族でニュース番組を見ながら「これって、法律ではどうだったっけ?」という新たな会話が生まれるかもしれない。

法律は、いざというときに自分を守ってくれるもの。すごろくで楽しくコミュニケーションを取りながら、法への理解を深めてみてはいかがだろうか。

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