外出自粛で増加!?…「在宅腰痛」を予防するイスの座り方・3つのポイント

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦
在宅ワークが原因の腰痛に悩む人も…(metamorworks/stock.adobe.com)
在宅ワークが原因の腰痛に悩む人も…(metamorworks/stock.adobe.com)

 外出自粛の際、在宅ワークが原因の体重増加を私は「在宅肥満」と呼んでいます。それに加えて「在宅腰痛」と名付けても言い過ぎではない患者さんがしばしば訪れます。今回は在宅腰痛の予防法です。

 先に結論を述べますと、1・足の裏を正しく床に着けて座る。2・お尻の筋肉を引き上げる。3・正しく背骨を立てる。の3つです。あぐらや正座など、床の上に座り込むことは避けてください。腰のためにはイスに座ることです。そしてそのイスの座り方にコツがあるのです。

 足の裏には3つの支点があります。「母趾(ぼし)の付け根」「小趾全体」「かかとの外側」の3点です。椅子に座る時だけでなく、立つ時も歩く時も、常にこの3点をしっかり地面に着けてください。

 さて、足の3支点をしっかり床に着けてイスに座ったら、今度は少し腰を浮かし、左右のお尻の筋肉を両手でつかんで、引っ張り上げます。それで背骨が少し後ろに反ったら、ベストポジションです。

 最後に正しい背骨の立て方ですが、前述の足と腰の姿勢を保ったまま、深呼吸してください。注意点は胸式呼吸です。両肩を下げながら、胸を天井に突き出すように、別の言い方をすれば、ちょうど乳首を45度、上前方向に突き出すように息を吸います。肩は後方ではなく、真下に下ろします。

 この少し胸を張ったような、上半身は座禅を組んだ時の姿勢で、足はかかとの外と、足の指は「パー」をするように左右に開いて、母趾の根元と、小趾の全体の3点でしっかり床を踏みます。足趾を開くのは難しいですが外反母趾の予防にもなります。

 さあそれでは、イスに座ってやってみてください。3つのポイントを全て同時にやろうとすると、なかなか難しいですよ。

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