長崎・原爆の日「今年の平和祈念式典は家で」!? 平和公園の原寸大石畳を届けた地元紙の試みに反響広がる

金井 かおる 金井 かおる

 「今年の平和祈念式典は家で行われます。(と、想像してみよう。)」

 8月9日。75回目の原爆の日を迎えた長崎県。地元紙「長崎新聞」の朝刊紙面を包むように、1枚の紙がラッピングされていました。そこに写るのは、平和公園の原寸大の石畳の写真でした。

 新型コロナウイルスの感染防止のため、一般の参列席は設けられなかった今年の平和祈念式典。足を運べない人のために、原寸大の写真の上に立ち、平和公園にいると想像しながら黙とうを捧げられるようにしようーーこの企画は同社でも初の試みだったそうです。

 朝刊を手にした同紙読者が紙面の写真を撮り、SNSに投稿。インスタグラムではハッシュタグ「#長崎新聞」とともに石畳の写真が並び、ツイッターでは<粋なはからい><とても素晴らしい>とのコメントとともに拡散が続きます。中には、コロナ禍により長崎への里帰りを自粛した人による「帰れなかったからうれしい」といった投稿もありました。

 同社担当者に電話で話を聞くと、「予想以上の反響があり驚いています。社内でもやってよかったという声が上がっています」と感慨深げに教えてくれました。

 平和公園の地面写真は、長崎新聞8月9日朝刊、長崎新聞特設ページ、セブン-イレブン店舗のネットプリントから入手可能。

 詳細は同社ホームページ(https://nagasakiheiwa2020.studio.design/)で。

   ◇   ◇

<長崎新聞 メッセージ全文>

原爆投下から75年。
節目を迎える今年の平和祈念式典は、
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、
規模縮小となりました。

会場へ行きたくても、
足を運ぶことができないあなたのために。
新聞紙一枚ぶんの式典会場を用意しました。
ここで少しだけ想像してみませんか。

平和公園の風景を。
75年前の出来事を。
被爆者の願いを。
いまも世界に存在する核兵器を。
その核兵器がなくなる未来を。

当たり前のことが
当たり前ではないと思い知らされた
2020年の8月9日。
あなたは何を想像しますか。

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