「ぴえんもご縁 超えてご恩」。浄土真宗本願寺派「永明寺」(北九州市八幡東区)の掲示板に掲げられた、流行語を使った語呂の良い法語に関心の声が多数上がりました。
「やっとぴえんの意味がわかりました、ありがとうございます!」「現代の流行を昔の人が詩として詠んだらこうなるのかな?」「ぴえんを悲しみに置き換えるとすごく良いこと言ってる!」と、Twitterで5.9万リツイート、19.6万いいねの話題に。
ツイート主は、松崎智海(非売品僧侶)@浄土真宗本願寺派♪永明寺住職(@matsuzakichikai)さん。北海道や九州などの学校で宗教科教諭として務められた後、2014年から永明寺に勤務し、2016年から継職して永明寺の住職に。現在はTwitterをはじめ、YouTubeなどさまざまなSNSで積極的に活動をし、何度も話題を集めるバズり住職として有名に。
掲示板に法語を掲げるのは、古来からの布教方法という松崎住職は、この法語を以下のように解説します。
「『ぴえん』は若者の間で流行している泣き声を表す擬態語で、嬉しいことや悲しいことなど泣きたいほどの感情を伝える言葉です。より度合いが強い派生語としての『ぱおん』という表現も生まれ『ぴえん』と組み合わせた『ぴえん超えてぱおん』は、『JC・JK流行語大賞2020上半期』コトバ部門で5位にランクインしています」
さらに「この法語が分かりにくい時は『ぴえん』を『悲しみ』と読み替えてみてください。辛いことが続くこの人生ですが、『悲しみ』もまた『ご縁』として受け止め、いつか『ご恩』として感じることができる日が来ることを願っております」と続けます。
なるほど〜、「ぴえん」がこんなに深い話になるとは! 住職に話を聞きました。
──「ぴえんもご縁 超えてご恩」の法語を作られたきっかけは?
妻から最近「ぴえん」が流行っているからこれで法語を作ってみたらと言われたことがきっかけです。
──こちらに関して、反響はありましたか?
このツイートで「ぴえん」の意味を知りましたという方が結構おられたことです。なんとなく知ってはいたけれど、あらためて意味が分かったというコメントをいただきました。
──積極的にSNSで活動されていますね。
できるだけ多くの方々に仏教のことを知っていただき、興味や関心を持っていただくためです。伝え方はたくさんあると思いますので、そのうちのひとつとして利用しています。
──過去に話題になった法語や、ご自身で気に入られている法語はありますか?
昨年の今時期に掲示した「衆生は不安よな 阿弥陀動きます」という法語は話題にしていただきました。法語は仏様の教えを示したものですので、どれも私にとっては大切なものです。
──松本人志さんのツイートからですね。今後も、流行語やネット用語などに注目されますか?
掲示板に法語を掲げることは掲示伝道という昔からお寺で行われてきた布教方法ですので、今後とも続けていきます。できるだけ皆さんに見ていただけるように工夫をしていきたいと思っています。
今回、記事の掲載にあたり、松崎住職よりお言葉をいただきました。「たくさんの方々に関心を寄せていただき大変ありがたいことです。これをきっかけに仏教に興味関心を持っていただければ幸いです。仏教は生きている人たちがいかによりよく生きていくかを問う教えです。生きている間にぜひお近くのお寺に行ってみてください」。