大阪府に住む大槻さんは、ボランティアが保護した野良猫の子猫2匹を譲り受けた。1匹は初対面の時から人懐っこく、抱っこもできたが、もう1匹は人見知りした。それでも2匹一緒に迎えると、人見知りしたほうの猫もあっという間になじんでくれた。大槻さんは、猫のいない生活なんて考えられないと思っている。
野良猫の母子
2018年5月、京都府の住宅地の裏にある路地で野良猫の母猫と4匹のきょうだい猫が暮らしていた。それを近所に住む猫ボランティアが発見し、捕獲機で捕まえて全員保護したという。当初、母猫だけをTNRするつもりだったが、子猫を全部取り上げてはかわいそうだということになり、サビ猫の子猫1匹は母猫と一緒にリリースされた。
大阪府に住む大槻さんは、機会があったら猫を飼いたいと周囲の人に言っていたのだが、義理の両親と猫ボランティアが知り合いだったことで、この子猫を保護したという連絡を受けた。
「2匹いるということだったので、7月末に見に行きました」
きょうだい仲良く暮らせたらいい
大槻さんは、子供の頃から実家で猫を飼っていた。
「猫が好きだったのですが、一人暮らしでマンション住まいだったので、飼うことができなかったんです。猫を飼える状態になったので、縁があったら飼いたいなと思っていました。ペットショップで飼うのはどことなく抵抗があって、同じ飼うなら保護猫を飼うつもりでした」
実際に会ってみると、黒猫は人を怖がることもなく、抱っこするとゴロゴロ喉を鳴らした。黒猫だけもらうつもりだったが、警戒心の強い、怖がりの茶トラ猫を残すのはかわいそうで、人になつかなくてもきょうだい一緒に仲良く暮らせたらいいと思い、急遽2匹を一緒に引き取ることにしたという。
家族は大好き、知らない人は苦手
7月8日、大槻さんは2匹を引き取りに行った。黒猫をおこげくん、茶トラ猫をビビくんと名付けた。
おこげくんは、早速新しい住処を探検。あちらこちらに行っては「これはなんだ?」と確認していた。ビビくんは案の定、ケージの隅っこで固まっていた。ところが、おこげくんとオモチャで遊んでいるのを見て、だんだん大丈夫だと思ったようで、つられてケージの外に出てきたという。
「1週間から10日もすると、ビビもすっかり慣れました。おこげが一緒だったので早かったと思います。一方がソファで寝ていたら、もう1匹も来て、ぴたっとくっついて寝ていました」
大槻さんは、2匹一緒に飼ってよかったと思っている。
「10何年後かには2回死別を経験しないといけません。なんでも2倍になるリスクがありますが、喜びも2倍なんです」
2匹を飼い始めて生活が一変したという大槻さん。実家に遊びに行っても泊って帰ることがなくなった。ごはんの用意やトイレの世話をきちんとしてあげたいと思い、旅行にもあまり行かなくなったという。
「大丈夫だから放っておこうという気になれないんです。出かけていても会いたくなるし」
おこげくんもビビくんも大槻さんや家族には甘えるが、知らない人は苦手。友人が来てもケージの奥で固まっている。飼い主だけに懐いているのが嬉しいのだという。