奔放な白猫・音ちゃんと、怖がりの妹・色ちゃん…そっくりな2匹、いつも一緒の幸せ

渡辺 陽 渡辺 陽

茨城県で野良猫にエサを与えていた人がいた。不妊手術をしていなかったので、子猫が6匹も生まれてしまった。神奈川県に住む金子さんは、知人から頼まれて6匹のうち2匹の姉妹猫を引き取ることにした。活発な音ちゃんがおとなしい色ちゃんを守るように暮らしている。

 

エサを与えていた野良猫が出産

2020年6月、神奈川県に住む金子さんは、知り合いから猫の里親を探している人がいるという話を聞いた。エサを与えていた野良猫が子猫を6匹産んだのだという。写真を見せてもらうと2匹の白猫の子猫が写っていた。

「そういう話を聞くと、育てたいなとか力になりたいと思ってしまうんです。寄り添っている2匹を引き離すのもかわいそうで、引き取ることにしました。猫を保護して育てた経験は豊富なので、5匹なら何とかなると思ったんです」

金子さんの実家がある茨城県水戸市で生まれた猫というのも因縁を感じた。

7月5日、都内の駅で落ち合い、猫を引き取った。里親を探していた本人はすでに帰っていて、その場におらず、知り合いの知人が箱に入った猫を渡してくれた。

先住猫、新入り子猫を恐れる

音ちゃんと名付けた子猫は好奇心旺盛で元気いっぱい。車の中に箱を置くと、ぴょんと飛び出てきたのでキャリーバッグに入れたという。道中、キャリーバッグのファスナーを少し開けて金子さんが指を入れると、音ちゃんは指にじゃれついて遊んでいた。もう1匹の色ちゃんは臆病で、姉妹だが性格は正反対だ。

音ちゃんと色ちゃんは生後1カ月半。3匹の先住猫がシャーッと言って怒ると思ったが、意外なことに、怖がったのは先住猫たちだった。音ちゃんと色ちゃんを部屋に入れると、みんなタタタ―ッと2階に駆けあがり、隠れてしまった。

「音と色は、まだ階段の上り下りができないので1階で過ごしました。先住猫たちはフリーにしていたのですが、ほとんど2階にいました」

一番古株のほたるちゃんとフレンドリーなひまりちゃんは1階に下りてくるようになったが、すぐに2階に戻っていった。2週間もすると、ほたるちゃんとひまりちゃんは1階に下りてきたので、音ちゃん、色ちゃんは、ほたるちゃんやひまりちゃんの後を追いかけたり、尻尾で遊んだりした。最後にひなたちゃんも遅れて、みんなと過ごせるようになった。

奔放な音ちゃんとおとなしい色ちゃん

ひなたちゃんとひまりちゃんは3歳を過ぎた頃から、金子さんの取り合いをしたり、猫パンチの応酬をしたりして急に険悪な仲になっていたのだが、子猫たちに気を取られているうちに、いつしかケンカの回数が少なくなったという。

音ちゃん、色ちゃんは寝ても覚めても一緒にいて、色ちゃんは音ちゃんの姿が見えなくなると、「どこへ行ったの?」と探す。その声を聞くと、音ちゃんは「ここにいるよ」と出てくるそうだ。

2匹とも引き取る前から猫風邪をひいていて、結膜炎もひどい状態だった。すぐに治療したが、音ちゃんはまだ完治していない。点眼や投薬を嫌がって色ちゃんが泣き叫ぶと、音ちゃんが「色に何をしているんだ!」と飛んでくるという。奔放な音ちゃんの後をひょこひょこついて歩く色ちゃん、そんな2匹の姿を見ていると、金子さんは2匹一緒にもらってよかったとしみじみ思うそうだ。

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