真夏の炎天下見つけた瀕死の子猫、母猫に代わって大事に育てたら…犬のように甘える人懐っこい猫に

渡辺 陽 渡辺 陽

真夏の炎天下、アスファルトの路上に瀕死の子猫がいた。生きているのか死んでいるのか分からないほど衰弱していたが、保護してミルクを与えて育てると、なんとか一命は取り留めた。福岡県に住む中村さんは、はじめてひとりで猫を飼ったが、我が子のように大事に育てた。

瀕死の子猫

2012年8月、福岡県に住む中村さんは、道端に倒れて横たわる子猫をみつけた。口元にやけどのようなケガをしていて、一見したところ死んでいるように見えたという。

「衰弱していたところに暑さによるダメージもあり弱り切っていました。まだ顔もはっきりしていない感じで、すごく小さくて、口の中は膿んだり、腫れたりしていました」

獣医師は、生後2―3週間、難治性の口内炎になっていると言った。

中村さんは、子猫をきいちゃんと名付けた。初めて自分ひとりで育てる猫だった。まだトイレも自分でできなかったので、濡らしたコットンでお尻をトントンと叩いて、排泄を促した。2週間は、昼夜の別なく2―3時間おきにミルクを与えたという。離乳食を食べるようになったが、食が細く、なかなか大きくならなかったそうだ。

歯の病気を治したら元気に

中村さんは、きいちゃんを飼うまで、それほど猫が好きではなく、どちらかというと苦手だった。

「母があまり猫が好きではなかったので、猫はシャーっと言って人に寄り付かず、怖いと思っていたんです。でも、きいを保護する前に友人の猫と触れ合い、可愛いなと思いました」

きいちゃんは無事成長して体重も増えてきたが、だんだん体重が減ってきた。

「不妊手術をしようにも、体重が減り過ぎて麻酔に耐えられるかどうか分からないと言われたんです。すごく悩みましたが、歯の病気のせいで食べられなかったと分かり、すべての歯を抜歯。その後不妊手術をしました」

犬のように人懐っこい猫

抜歯をして元気になったきいちゃん。中村さんにべったり甘えていて、いつも一緒に寝るという。中村さん以外の人は苦手で、インタホンが鳴っただけで隠れてしまう。

「家事をしていても離れることがなく、足にしがみついています。まるで犬のように懐いていて、何をしていてもついてくるから、自分の子供のように思えました。守ってあげたくなるんです」 

中村さんは、きいちゃんを迎えた後、他の猫も保護して迎えた。きいちゃんは、最初はシャーシャー怒っていたが、やがて新しい子が来るのにも慣れてきて、受け入れてくれるようになったという。

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