長州力ツイッターの半年を側近が分析…「ハッシュドタグ 井長州」の真相、「揶揄」への対応は?

北村 泰介 北村 泰介

 元プロレスラーの長州力がSNS界に「リキ・ツイート旋風」を巻き起こして半年が過ぎた。昨年のクリスマスに開始以来、既成の文法を破壊する剛腕ツイートも軌道に乗っている。長州を支える所属事務所の社長でマネジャーの谷口正人氏が当サイトの取材に対し、この半年間を4期に分けて分析し、ベスト投稿、大反響を呼んだ「ハッシュドタグ 井長州」ツイートの裏話などを明かした。

 「長州力ツイッターは黎明期、混乱期、安定期(2度)に分かれると思っています」。そう指摘する谷口氏は「黎明期に当たる12月27日のツイート『たくさんのセーブをどうも有難う!』が私のベストツイートです。その『セーブ』とは分析の結果、『フォロー』のことだと判明します。『これはちょっと大変なことになるかも。まずいな…』と改めて気を引き締めたことを覚えています。混乱期突入を予感させるツイートでした」と明かした。

 同氏によると、(1)黎明期は昨年12月から1月末(2)ちょっと短い安定期が2月半ばまで(3)フォロワーをFLOWERと書き間違えた2月中旬から3月末までは混乱期(4)コロナで緊急事態宣言が出たあたりから現在までは安定期…という。

 最も反響が大きかった投稿は混乱期にあった3月12日付「少しづつですが親切な人達に教えてもらいながらTwitterの機能を勉強してます まずはハッシュドタグ 井長州力」だろう。翌13日には「おい、、ハッシュのこと嘘教えやがったな ばかたれがー 山本よ、、、」と怒りのツイート。この「山本」が誰かも含めて、谷口氏に真相を聞いた。

 「山本とは『KAMINOGE』(カミノゲ)という雑誌の井上編集長のことです。なぜか『山本』と呼ばれているのです。同誌のレギュラー扱いで毎回インタビューを掲載してもらっているのですが、その際に井上さんが本人にジョークで嘘を教えたのです。『これはハッシュドタグと呼ばれます。基本中の基本です』『#はもともと井だったのを若者が進化させたので、正式には井です』『Twitterも一生懸命取り組んでいる、新しいことへチャレンジしていることを示すために、頑張っている姿を投稿するべきだ』とか言って、それを本人が信じてあの投稿に繋がります。身内の些細な会話があんなことになりました」

 「KAMINOGE」は雑誌「紙のプロレス」の路線を継承したプロレス・格闘技を中心とした書籍。長州は井上崇宏編集長を「山本」と呼び、そのフランクな関係から生まれた「日本ツイッター史に残る迷フレーズ」は、3月から開始したユーチューブのチャンネル名「リキチャンネル 井長州力」(現在は「リキチャンネル」のみ)に発展した。

 谷口氏は「長州力という重い鎧を脱ぐタイミングだったのかもしれません。本当はユーチューブありきのツイッターだったのです。本人は今でも自分が話題になっていることをあまりよく分かっていないと思います」と語る。

 安定期の4月16日付「揶揄な返信はとても残念です」の投稿も気になった。さすがの長州もネット上の誹謗中傷に傷つくことがあったのか。

 谷口氏は「ツイッターを辞めたいと言ったことは1回だけ、2月くらいにありました。理由はよく分からないのですが、面倒くさくなったのかもしれないですね。『なんか揶揄してくるやつがいるなぁ』とは言っていますが、そんなに気にしていないです。プロレスラー時代なんかもっと酷かったと思いますので、それに比べたらというのはあるのではないでしょうか?」。その上で、同氏は「誰か特定の人間を非難しない、政治に関して極力触れない、ネガティブなことはなるべく投稿しないようには気を付けているようです」と長州ルールを説明した。

 今後に向け、谷口氏は「現在は安定期に入っていて、初期の頃の何が飛び出すか分からない雰囲気はなく、ちょっと物足りないなというのが個人的な感想です。何でもそうだと思うのですが、黎明期が一番面白いといいますか。ただ、このまま今の安定が継続される予感はないので、再び混乱期に突入すると感じています。それはプロレスラー長州力の生き方もそうでしたので、また、突然、とんでもないことを投稿して世間を混乱させると思いますので、温かく見守っていただければと思います」と期待を込める。

 ちなみに記者が気になった投稿は3月24日付「誰だっー誰だ〜誰だ〜! 俺の夜食を食った奴はー」と、「デビルマンのうた」を彷彿させるフレーズで始まる「スパムおにぎり事件」。その顛末を谷口氏に尋ねると、「すみません…あまりにどうでもよかったので本人に聞いてもいませんでした」。もっともである。

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