餃子の王将が本気で作ったPRソング……「二人の餃子」が歌謡曲ファンの間で静かなブームに

中将 タカノリ 中将 タカノリ

エルヴィス風の衣装に身をつつんださえない男とイケイケのバブリー女子によるこってりデュエット……。暑苦しいほどに昭和感満載ムード歌謡「二人の餃子」が静かなブームとなっている。

同曲は創業50周年を超えた「餃子の王将」が、昭和、平成という時代に感謝し、次の時代もお客や関係者の期待に応えようという思いを込めたPRソング。2019年3月1日にYouTube上で公開したミュージックビデオは2020年7月10日現在、再生回数6万回強。王将のネームバリューからすると若干寂しい感はあるのだが、「餃子の作り方」を歌ったやけくそ感あふれる熱い歌声とあざといアクションが近年急増中の昭和歌謡ファンたちにウケているのだ。

この珍曲はどのような経緯で誕生したのだろうか。「餃子の王将」を運営する株式会社王将フードサービス(本社・京都市)の担当者にお話をうかがった。

中将:創業50年を超え、PRソングを制作することになった経緯をお聞かせください。

担当者:餃子の販促宣伝ツールとして、はじめラジオCM用に制作を行いました。

中将:最新流行風のカッコいい楽曲を作ることもできたと思いますが、なぜあえてムード歌謡を選択されたのでしょうか?

担当者:年号が変わるのにともない昭和という時代に注目が集まると考えたこと、また弊社創業時の昭和という時代に感謝の想いを表現するために昭和歌謡感満載の楽曲にしました。

中将:楽曲、ムービーが完成した時点での御社内の反響はいかがだったでしょうか?

担当者:カラオケでの配信がありましたので、利用してみたいという声を聞きました。

中将:現在「二人の餃子」の再生回数は6万強。ユニークで完成度の高い楽曲だと思いますが「餃子1日200万個」という御社のイメージからすると反響に若干の寂しさを感じます。現状の反響についていかがお考えでしょうか。

担当者:店頭サイネージでの放映により、店舗ご利用のお客様にお楽しみいただくなかで認知度を高めるように考えております。そして、昨年年末にはテレビ CMで楽曲の映像を使用いたしました。また、ぎょうざ倶楽部会員感謝キャンペーンでは、スタンプを集めてもらえる賞品の目覚まし時計の音声に楽曲が流れるようにするなど、少しずつでも人気が高まればと考えております。

中将:PRはまだまだ継続中ということですね。「二人の餃子」のさらなるヒットを期待しております。

 ◇ ◇

最近ありがちな明るくにぎやかなだけのPRソングと異なり、昭和歌謡さながらの暗い情熱を秘めた「二人の餃子」。このまま埋もれさせるには惜しい名曲なので、王将の「餃子1日200万個」というキャッチフレーズにあわせてYouTubeで200万回再生されるくらいのヒットを願いたいものだ。

なお「二人の餃子」は現在レシピ編とカラオケ編がYouTube上で公開中。通信カラオケやiTunesでも配信されているということなので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

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