京都市北区出身で、フリーのプロボクサーとして闘う高橋知哉選手(32)が、最重量のヘビー級で活躍を誓っている。統括団体の日本ボクシングコミッション(JBC)とは一線を画して活動。自主興行や新興団体に参加するなど自由な立場で、より強い選手との対戦を求めている。
自他ともに認める「やんちゃな少年時代」を過ごした。小学生で少林寺拳法を習い、嘉楽中2年でボクシングジムに通い始めた。きっかけは、元世界王者の亀田興毅さんに勝負を挑むため、所属する大阪のジムへ「単身乗り込んだ」ことだった。残念ながら亀田選手との対戦は実現せず、別の選手とスパーリングして負けたが、ボクシングの魅力に取りつかれた。
花園高では3年間、ラグビー部に所属。全国大会出場はならなかったが、恩師や仲間と貴重な時間を過ごした。放課後はボクシングジムに通う「二刀流」を続けた。
高校卒業後、JBCが認めるプロボクサーを目指したが、頭部検査で異常があるとしてプロテストを受けられず、道を断たれた。諦めきれず、自宅のガレージでサンドバッグに向かい、腕を磨いた。知人や後輩らが集まり、プロ格闘技団体「BONECRASH(ボーンクラッシュ)」を結成。自ら代表となり、ボクシングルールで試合を重ねてきた。医師の診断で頭部の異常はなくなっていた。
昨年9月に日本ボクシング連盟前会長の山根明氏が設立した新団体「ワールド・ヤマネ・ボクシング・チャンピオンシップ」に誘われ、選手として同団体のヘビー級王座を獲得。山根氏と面識はなかったが「フリーのプロボクサーでも有名になれるチャンスがある。信じれば奇跡を起こせる」と協力。先月に京都市内で行われた初防衛戦は、再戦したブラジル選手に1回31秒でKO勝ちした。
「一対一で分かりやすく、体を張った真剣勝負のスポーツ」としてボクシングに誇りを持つ。ヘビー級へのこだわりも強い。「知名度のある選手と戦いたい。誰とでも対戦する」