コロナ禍で不安、フリーランスはどうしてる? 0円の野草料理に目覚めてしまった

沢田 眉香子 沢田 眉香子

コロナ禍がまだまだ続く。暮らしに不安も募るご時世である。お気楽だが不安定な生活をおくっているフリーランスなど自由ななりわいの人なら、なおさら。「食卓に食べ物が並ばなくなるのも時間の問題?」と怯えている人も多いかもしれない。ご多分にもれない私も危機感にかられ、毎朝の川べりの散歩で「何か食べられるものはないか?」と、目を走らせるようになってしまった。

京都の鴨川での手始めは、どこにでも生えているヨモギである。土手でヨモギを採集。ふと以前に食べたヨモギの天ぷら蕎麦の記憶がよみがえり、揚げて食べてみた。あら、結構おいしいわ。こうなると欲が出て、中洲や土手の隅っこ、水際を探索。タンポポ、カラスノエンドウやドクダミ、ハコベなど、食べられる野草が、散歩道にけっこう生えていることを発見。

ヨモギの若い葉っぱは、草餅や天ぷらに。でっかく育ってきたら、干してお茶に。ドクダミは、民間薬として「十薬」と呼ばれるほどの薬効がある。ありがたいものが、そのへんに生えてるもんですねえ。ピンクの花が咲き、小さい豆をつけるカラスノエンドウ。どう料理してもツルの硬さがキビしいが、そこは野生で戦う彼らの命綱。心してよく噛もう。タンポポはイタリアや韓国では野菜。スコップ持参で根を掘っている女子を見かけたことがあるが、きんぴらかコーヒーにするんでしょうな。

食べられる野草を探して、鴨川で下を向いて歩くようになると、面白いもので、食べごろの新芽や、ボリュームのある葉っぱが向こうから目に飛び込んでくるようになってきた。狩猟の達人が「うまく仕留められる時ってのは、その瞬間、不思議と獲物と目が合うもんだ」と語っていたのを思い出す。猪とヨモギでは、だいぶ獲物のレベルは違うが。それでも、ハンターとしての経験値が徐々に上がってきたのか、水際にセリやミントも発見。収穫物にこの2品が加わると、「サバイバル雑草めし」が、「素敵ナチュラル生活」っぽくおしゃれにランクアップ。

野草ハンティングのもうひとつの楽しさは、日々、獲物の急成長を観察できること。春先に柔らかかった葉っぱも、日差しが強くなる頃にはモサモサ、スジだらけ。タイミングよくおいしい時期に収穫できたらラッキー。無駄にしないよう、いろんな料理を試したくなる。食べられる旬が過ぎても大丈夫。多くの野草は乾燥させて煎じたら、カフェインレスの健康茶になる。冬の間は、せいぜいデトックスに励もう。

街に力強く生きている雑草こそ、我らの味方。ネット上には、野草ハンターの先輩諸氏のレポートがいくつも上がっている。初心者なので簡単なもので失礼ながら、自分的定番の「鴨川を食べる」レシピを4品紹介する。ぜひ、節約生活の足しにしてください。

まずは、タンポポのサラダ。すり鉢でニンニクとナッツを砕いてオリーブオイルと酢と塩、コショウで和えて、パルメザンチーズをふりかけて。お味は、ルッコラのほろ苦バージョンて感じ。

ヨモギのそば粉パンケーキ。ヨモギはさっとゆでて牛乳と一緒にミキサーにかけ、そば粉を加えて焼く。大原のナチュラリスト、ベネシアさんのレシピだと紹介している人のブログ記事を参考にさせていただいた。

ミントを入れたクスクスのサラダ。パスタのクスクスにキュウリ、トマトを刻み入れ、ドレッシングで和えてミント添え。クスクスの代わりにおから、ヨーグルトでもいける。

セリと油揚げ。だしと醤油でさっと煮ただけ。味噌汁の具や、小鍋、ごま油で炒めてもおいしい定番コンビ。

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