乳首対策はエチケットです
クールビズが普及し、近年は夏場にシャツ1枚で出勤するビジネスマンが増えた。
…と同時に増えているのが、シャツからうっすら乳首が透けている男性。女性目線で率直に言わせてもらえば、「隠せよ」である。
本人が気にしていなくても、こちらに見る気がなくても、透け乳首は嫌でも目に飛び込んでくる。とはいえ、「透けていますよ」とは言えない。上司、先輩、同僚、後輩など関係なく、恥をかかせてしまいそうで言いにくいのだ。さらに言えば、仕事ができるのに、頼りになるのに、いい人なのに、おしゃれなのに……「残念」な気持ちにさえなる。
女性は常に、下着の透けなどをエチケットとして気にしている。男性も同様に、乳首が透けないように隠すのは社会においてのエチケットの一つではないだろうか?
「見たくない」が本音
そんな、夏場の男性の乳首エチケットを守る商品が登場した。常盤薬品工業が今年3月に発売した男性向けニプレス「ニプレスG」だ。
ニプレスとは、乳首に直接貼って衣類の上から見えなくする円形のシール。1981年に同社が女性向けに開発し、今なお安定した人気を誇るロングセラー商品だ。
素材や直径(42mm)等、商品規格は女性用と同じだが、男性が手に取りやすいようパッケージデザインを工夫した。パッケージは紺色ベースで、ネクタイを締めた男性イラストを採用。一見、ニプレスを購入しているようには見えない配慮がなされている。
付け心地もやさしく、同社が男性社内モニターを対象に実施したアンケートでは、装着時の違和感は「ない」「どちらかといえばない」が90%以上。大きさ、粘着力についても「ちょうどいい」という声が大半で、使用時の剥がれを訴えた例もないそうだ。
開発のきっかけは、「乳首が透けたり、目立っている男性が気になってしまう」という女性の声。そこで社内の女性スタッフを対象に『夏場に乳首が透けている・目立っている男性をどう思うか』というアンケートを実施したところ、「ちょっと残念」「不快」「見たくない」「どうにかしてほしい」など、マイナスイメージを持つ人が6~7割もいたことから開発に着手した。価格は5セット(10枚)入りで400円(税抜)。同社ECサイトのほか、全国のドラッグストア、バラエティショップ等で購入できる。
使用時のポイントは、事前に汗などを拭き取っておくこと。皮脂や水分が残ったまま貼ると粘着力が弱まるため、事前に身体を拭いたり、軽くシャワーを浴びてから貼ったほうが長時間快適に着用できる。剥がす際も勢いに任せず、ゆっくり剥がした方が肌に優しい。
ビジネス、ファッションシーンはもちろんのこと、ウエアと乳首の摩擦が気になるスポーツ時にも活躍。マラソンやジョギングの際に、乳首を守るために使用しているユーザーも少なくないという。
ちなみに、乳首の透けをすでに気にしている人の中には絆創膏を貼って隠している人もいるが、同商品はバストトップに特化しているのが強み。バストトップにちょうど良い粘着力なので、剥がすときもスムーズだ。シール中央のパッド部分も柔らかい素材を使用していて、摩擦に強く、肌に優しいメリットがある。
「どう見られているのか」意識して
「自分自身は気にしていなくても、まわりの人は気にしている。とはいえ、指摘しづらいところなので、身だしなみの一つとして気にしてもらえたら」と語るのは、ヘルスケア営業部企画リーダーの高森有和さん。自身も1人のユーザーとして使用しており、「以前までは透けないように、インナーにタンクトップなどを着ていましたが、ニプレスを使えばワイシャツもポロシャツも1枚で着られる。煩わしさも暑さも軽減されました」とにっこり。
広報の比嘉英理子さんは「バストトップが透けているのも、タンクトップが透けているのもスタイリッシュとは言い難い。『どう見られているのか』を意識してもらい、夏の身だしなみの一つとして使っていただければと思います」とコメントした。
今年の夏は、咳やディスタンスなど、これまでにはないエチケットが要求される。また、夏場のマスク着用で熱中症リスクが高まるとの指摘もある。クールビズでできるだけ涼しく、快適に過ごしつつ、周囲を不快にさせないためにも、男性は「乳首エチケット」にぜひ配慮してもらいたい。