アスリートたちやファンの間で話題のフクロウタオル 3人のママの会話から生まれた商品だった

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 いま、SNS上でひそかに話題になっている商品がある。大判タオルの中心に大きな目をしたフクロウ。愛くるしい姿でこちらにほほ笑んでくる。

 「デザインがかわいいですね」
 「コットン生地が肌触りよさそう」
 「ほしいです」
 「どこで売っているんですか?」

 昨年9月、プロ野球選手の西勇輝投手、梅野隆太郎捕手がインスタグラムで投稿すると、ファンの間で話題沸騰。チーム内でも流行したようで、糸井嘉男外野手や近本光司外野手も、自身のインスタグラムで紹介した。

 さらに、このフクロウタオルは田中広輔内野手&田中俊太内野手の兄弟や伊藤光捕手、プロサッカー選手の柏木陽介選手や、杉本健勇選手、競馬の松若風馬騎手とアスリートたちのインスタなどに登場している。商品サイトを覗いてみると、会社名は「spin&yarn」(https://spin-yarn.com/)とある。会社は兵庫県神戸市にあった。直撃してみると…、対応してくれたのは事業部の高野真弓さんだ。

「ウチの会社はパイル(タオル)生地に特化したアパレルブランドです。事業部の3人のママの会話の中から、大切な子供の肌に優しい素材、ママが持ちたくなるデザインを考えました。子育ての中で見えてきた必要とされるモノや、コトを形にしたかったんです」

 “プロローグ”は神戸で始まった。社員の友人の子供がアトピーを患っていた。「メイド・イン・ジャパン」の商品で、そんな子供の肌に優しいベビーグッズは少ない。あってもデザイン性が乏しかった。「ないものを作ろう」というのが同社のコンセプト。商品化に向けて動き出した。

「ここ数年で食品アレルギーだったり、食品に対する気の使い方が変わってきました。次は着るものに対しての意識を、変えていかないといけないでしょう。天然素材、自然素材があらためて、見直されてくる時がくると思うんです」

 商品販売は2019年8月。だが、「構想からスタートアップまで、10年以上は掛かりましたね。自信を持って提供できるモノができなかったんです」と振り返る。市場ではマイノリティーな商品。なかなか出回らない材料、技術、アイデア、デザイン。「なぜこの商品を買うのか、それが必要だった」と、納得する素材を求めて東奔西走した。

 温故知新というのだろうか。目を付けたのがガーゼタオルだ。

「昔、銭湯に来る人の大半が手ぬぐいを持っていました。それを思い出したんです。手ぬぐいをなんで持っているかって、速乾性、吸収性、利便性がある。つまり、エコだった。昔の人の知恵が帰ってきた感じですね」

 デザインには、ある思いを込めた。いま、ベビー用品のメインキャラクターはフクロウ。幸せの象徴とされる鳥を象徴として今後、さまざまな動物のデザインが展開されていく。最終的には商品の全てを、物語として絵本で完結させるという。

「いろんな動物が表れて、いろんな幸せが重なれば、ものすごく大きな幸せになると思うんです。私たちもまだ、どんな結末になるのか想像もできていません。最初のフクロウが、どういう幸せを運んできてくれるのか、本当に楽しみです」

 会社名の「SPIN」は、英語で「紡ぐ」。「YARN」は「糸」を意味する。「縦の糸でも横の糸でも、素晴らしい幸せを紡いでいきたい」と願いを込めた。同社の商品には「GAUZE BATH TOWEL」や、「FOODIE BATH TOWEL」など子供向け商品以外にも、用途を選ばず着用できるユニセックスウエアなど、数10種類の商品を展開している。

「パイル素材は肌触りがすごくいいんです。逆にカジュアルすぎると、ルームウエアのイメージが強い。でも、ウチの商品なら、どこにでも洋服を緩く、軽く着ていける。リラックスウエアだけど高品質。シーンも場所を選ばないと思います。せび他の商品もご覧になってみてください」

 現在は体が資本のアスリートをはじめ、病院や、全国のホテルから問い合わせが届く。既に神戸のとあるホテルでは、館内で使用するタオル類や神戸の土産品として、採用が検討されているという。

「毎日の子育てって本当に大変ですよね。そんな日々に少しだけ、テンション上がるものがあれば。ちょっとした安らぎや、子育てが楽しくなるように。ママとパパを助けてあげられるような商品を作りたい。多くの人の人生に寄り添っていけたらステキですよね。それが“紡ぐ”ということだと思うんです」

 “エピローグ”には、どんな景色を映すのだろうか。子供を、パパを、ママを笑顔にするため、神戸に生まれた幸せのフクロウ。織りなした商品で笑顔を紡いでいく。そんな物語はまだ、始まったばかりだ。

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