「今、英語で情報をとりたい…!」パンデミックの今、世界とリアルタイムでつながる「英語勉強法」を聞いた

山本 明 山本 明

新型コロナウイルスの世界的感染拡大を経験し、私たちは「世界で今、何が起こっているのか」に強い関心を寄せ始めています。より広い世界から情報を得るために「海外のニュースサイトをリアルタイムで読みたい」「外国の人とSNSで直接やり取りをしたい」と感じる機会も増えているのではないでしょうか。そんな人たちに向けた効果的な勉強法を、ノンネイティブの話す英語について研究している専門家に聞きました。

勉強法を聞いたのは、甲南大学(兵庫県神戸市)国際言語文化センター准教授である、ウァン・マリアン(Marian WANG)さんです。世界中のさまざまなノンネイティブの話す英語と、英語を共通語として用いた場合のコミュニケーションや国際理解について研究しています。

カナダで生まれ、アメリカで育ったマリアンさんはNGO機関で世界各国で働いた後に、2001年9月11日の同時多発テロ事件を経験しました。その際に「自分の本当にやりたいことは教えること」だと思い至り、大学院へ入り直したそう。台湾の大学院で教鞭をとった後、マリアンさんの母親の故郷である日本へ。今は甲南大学で教えています。

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――海外のニュースから英語で情報を得るには、どんなアプローチから始めたら良いのでしょう?

自分の興味のある題材を選ぶのが大切です。『コロナ』関係のニュースについて知りたいのなら、まず日本のニュースをしっかり読み、聞く。そうするといろんな疑問が出てくると思います

――具体的には。

『日本のコロナ対策は海外ではどのように評価されているのだろう(HOW?)』

『海外(任意の国)のコロナ施策はなぜそのような形で行われたか?(WHY?)』

…など疑問点をクリアにしたら、その事柄のキーワードを英語で入力して検索、出てきた英文記事の中に答えを探してみてください。あらかじめその事柄について知っていますから、英文でも内容はつかみ易いはず。

慣れてくると、物事の経緯や各国のリーダーたちの決断、その国の文化や国民性についても、より深い理解を得ることができるようになります。

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ある程度、英語で情報をとれるようになると、自分も英語で発信したくなるかもしれません。そんな時は、偉人たちの名言が役に立ちます、とマリアン先生。「名言や名スピーチは短い言葉の中に内容がぎゅっと凝縮されています。オバマ前大統領やスティーブ・ジョブズの発言集などを暗唱できるくらいしっかり覚えた後、単語を自分が言いたい言葉に置き換えてみてください」とのこと。確かに自分の尊敬する人や好きな人の言葉なら、覚えるのも楽しそうです。

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――でもやっぱり、「英語はあまりうまくないのですが…」などと前置きしたくなります…。

そんな必要は全くありません(笑)。世界中では、ノンネイティブの人たちが様々な英語を堂々と話しています。日本人は『完璧な』ネイティブレベルの英語を話さなくてはならない…と思いがちなのでは。

――完璧である必要はない、と。

長年、学校で教えていますが、英語学習に成功する学生は皆、自分にあった勉強法を見つけています。今は動画や、ドラマ、音楽など様々な学びのツールを選ぶことが可能です。失敗を恐れず色んな方法を試し、実際に使える英語を身につけてほしいですね。

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