阪神や広島などでプレーした喜田剛さん、いまは会社員とYouTuberの二刀流

あの人~ネクストステージ

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 喜田さんは02年に福岡大から阪神に入団。パンチ力を武器に2軍では2年連続で本塁打と打点の2冠王に輝いたが、当時の阪神は選手層が厚く、1軍に上がるチャンスにほとんど恵まれなかった。

 大きく花開いたのは07年途中に広島に移籍してから。移籍直後に先発起用され、広島での初打席で安打を放つと、その後も安打を量産。プロ初本塁打やサヨナラ打も放ち、初めてお立ち台にも上がった。一時はクリーンアップも任された。

 当時、チームを指揮していたのはブラウン監督だったが、これには裏話がある。移籍の前年、広島市民球場で阪神と広島の親子ゲームが組まれた時だった。昼間の2軍戦で喜田さんが一塁を守っていると、「キダー!キダー!」と呼ぶ声が聞こえた。声のする方へ目をやると、一塁ベンチ横のカメラマン席にブラウン監督がいた。「“キダ、広島に来い”ってカタコトの日本語で僕を手招きしているんです。その時は、いったいこの人、何を言ってるんだろうと思いましたけど」(笑)。

 翌年5月に広島にトレード。ブラウン監督からは「楽しんでやりなさい。失敗しても切り替えてやれば大丈夫」とアドバイスされた。「阪神時代は毎日毎日怒られてばかり。4の4を打っても怒られてましたから。このひと言で、すごく気持ちが楽になりました」。

 10年5月にオリックスに移籍するまで広島には3年間在籍。「阪神時代は悔しい、つらいという思い出しかありませんが、カープではいい思い出しかない。やっと1軍の選手になれたという喜びを感じながらプレーしていました」と、当時の思いを語ってくれた。

◆喜田剛(きだ・ごう)1979年10月25日生まれ。福岡市出身。現役時代は右投げ左打ちの内野手。小学3年で野球を始め、沖学園高時代は通算32本塁打。福岡大を経て01年度ドラフト7巡目で阪神に入団。ファームでは05、06年と2年連続で本塁打王と打点王に輝くが、1軍には定着できなかった。07年5月に広島に移籍してチャンスをつかむ。10年5月にオリックスに移籍。11年に横浜へ移り、その年限りで引退。10年間の通算成績は239試合に出場、409打数102安打、打率・249、9本塁打、46打点。家族は妻と一男一女。

(まいどなニュース/デイリースポーツ・工藤 直樹)

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