コロナ禍により、一家全員が自宅に閉じこもっているケースは多いでしょう。友人のAさん宅も、夫がリモートワークになり、小学生の子ども2人がずっと家にいる状態です。そんな中、予想もしなった悲劇が起こりました。
Aさんは一戸建ての中古住宅に住んでいます。築30年以上経過しているので、リフォームを繰り返しながら快適に暮らしています。普段は夫婦共働きで子どもたちも学校へ行っているので、コロナ禍の前の生活ではリビングが中心でした。
Aさんの家には、1階と2階にトイレがあります。1階のトイレは最新型ウォシュレットにリフォームしたので、家族はみんな1階のトイレを使っていました。反対に2階のトイレは中古住宅を購入したときから手つかずのままです。洋式ではあるものの、やや昭和の雰囲気が漂う2階のトイレは誰も使うことがなく、いつの間にか物置になっていたそうです。
しかし、コロナ禍により家族全員が家にいるようになり、生活が変わります。夫は2階の寝室で仕事をするようになり、子どもたちも学校の課題は2階で行うようになりました。すると必然的に2階のトイレが使われるようになったのです。それまで物置部屋のように扱われていたトイレは、家族から
「臭い」「狭い」「使いにくい」
とさんざん文句を言われながら、使われるようになりました。
そんなある日、Aさんは料理中に「ジャー」という聞き覚えのない物音を耳にします。慌てて物音のする廊下に出ると、なんと廊下が水びだしに!1階廊下のダウンライトから大量の水が漏れていたのです。
慌てて2階へ駆け上がってみると、そこには古いトイレのタンクから水がどんどん溢れ出ている状態でした。夫を呼び、子どもたちにバケツとタオルを用意させ、Aさんは必死にトイレタンクを操作します。しかし、長年使っていなかったトイレタンクのネジは錆びており、どうやって水を止めていいのかも分かりません。
何十リットルという水が漏れだし、2階の廊下はもちろん、1階の廊下も天井からジャバジャバ水が溢れます。下の子は、同じように水があふれるシーンが流れるテレビCMを思い出たのか
「水のトラブル(会社名・なんとかシアン)♪ 安くて早くて安心ねー♪」
と歌い続け、あまりにもカオスな状態に家族みんなで笑うしかなかったそうです。
結局、外の駐車場にある水道管を閉じたところ、やっと水漏れは収まりました。ホッとしたのも束の間、コロナ禍の状況では対応してくれる水道屋さんもなく、その日は水が使えなかったそうです。翌日になり家の事に詳しい近所の人に頼み、なんとかトイレタンクを修理して事なきを得ました。
Aさん曰く、
「トイレには神様がいるっていうけど、本当だと思う。2階のトレイはまったく掃除もしないで放置していて、いざ使ったときには、臭いだの狭いだのさんざん文句を言っていたので…。トイレの神様が怒って爆発したとしか思えない」
と言っていました。
コロナ禍により、それまで使っていなかった場所を急に使ったりすると、思いがけないトラブルが起きることもあるようです。それと同時に、やはりトイレには神様がいて、毎日丁寧に掃除を行うことが大切だと思った出来事でした。