これは高校生の娘を持つ姉から聞いた話です。普段なら、高校生の娘は友達とスマートフォンで会話をするばかりで、親に対して積極的に話しかけるといったことはありません。しかし、コロナの影響で巣ごもりが続くと、自然と親子の会話も増えていったそうです。
母である姉は、コロナの影響で仕事がなくなってしまい、親子で家にいる時間が多くなりました。すると母と娘は揃って生放送のニュースから、母が好きだった90年代に流行ったドラマや映画、娘のおすすめである最近話題になったドラマなど、テレビをたくさん見るようになったそうです。
そんな生活が続いたある日、母と娘はイケメン談話で盛り上がります。これまでに見たドラマや映画を中心に、誰が一番イケメンなのかを話し合ったそうです。
母は
「やっぱり木村拓哉が一番かっこいいかな」
「あと、竹野内豊もすごく人気があったんだよ」
と言います。
それに対して娘は
「だんぜん佐藤健だよ!」
「でも菅田将暉も歌うまいしいいよねえ」
と言いました。やはり40代と10代では、好きなイケメン俳優に違いがあるようです。
ただ、どんな顔の男性が好みかという話になると、高校生の娘は
「西島秀俊」に
「ディーンフジオカ」
など、ドラマの影響もあってか、高校生が選ぶにはやや渋めの年上男性を選んだそうです。母は「なるほど。うちの子は年上好きなんだな」と漠然と思いました。
そして最終的に誰が一番タイプか、という話になったのですが、娘は
「うーん、誰が一番かと言われると難しいなあ」
と言い、その日のイケメン談話は終わりました。
◇ ◇
後日。娘が1人でテレビを見ていたとき
「ああ!お母さん、いたいた!私この人めちゃくちゃタイプだわー!」
とテレビ画面を差しました。母は以前話していた俳優がテレビ番組にでも出ているのかと思い、画面を覗くと、その番組は意外にも真面目なNHKのニュース。そしてそこに写っていたのは
「大阪府知事 吉村洋文」
高校生の娘が一番のイケメンだと差したのは、今何かとテレビに出演している大阪府の吉村知事だったのです。母は予想だにしない人物に思わず吹き出してしまいました。
「いやー、この人説得力あるし、行動力あるし、何しろイケメンだし。将来はこういう人と結婚したい!」
コロナ禍でなければ、東京で暮らす娘はきっと知らなかったであろう吉村知事。ニュースに連日出るうちに、吉村知事は女子高校生のハートをも奪っていたのです。
ちなみに、娘は
「でも北海道知事もイケメンかもー」
と知事萌えをしていたそうです。
コロナ禍により、非常にテレビへの出演が多くなった両知事。このご時世だからこそ、意外な話題の主人公に選ばれたエピソードでした。