満開の桜に雪! 暖冬の帳尻合わせ? 氷点下の最低気温相次ぐ…4月が冬に逆戻りした理由とは 

辻 智也 辻 智也

 新型コロナウイルスの流行で外出を控えている人が多いせいか、あまり話題にならないが、この4月は西日本で平年に比べてかなり寒い日が続いている。15日朝も「寒の戻り」となり、近畿地方の内陸部で氷点下の冷え込みになった。もしかして、史上最も暖かかった今冬の「帳尻合わせ」が来ているのでは──。大阪管区気象台に聞いてみた。

 気象庁のデータによると、15日朝の最低気温は、滋賀県甲賀市信楽町で氷点下1.5度、奈良市針で氷点下1.1度。都市部の京都市中京区でも5.2度で、いずれも平年の最低気温を4~5度ほど下回った。

 15日だけでなく、4月に入ってから、冬に逆戻りしたような日が続いている。大阪市中央区の朝の最低気温は、4月5日から11日連続で平年を下回り続けている。滋賀県甲賀市信楽町は、今月で4日間も最低気温が氷点下となり、7日は氷点下1.8度まで冷え込んだ。13日は山陰地方を中心に強い寒気が流れ込み、鳥取県大山町で最深積雪48センチの大雪となった。

 大阪管区気象台によると、4月は日本付近に寒気が流れ込みやすい状況になり、低温傾向が続いているという。ただ、寒気が北極付近にたまったまま南下せず、記録的暖冬に結びついた状態は続いており、「暖冬の帳尻合わせ」で寒くなったというわけではないという。

 ちなみに、暦の上では春真っ盛りなのに、真冬に逆戻りしたような天気になったことは過去にもあった。1996年4月12日には、京都市で観測史上最も遅い積雪を観測し、市内の寺社で満開を迎えたサクラに雪が積もる「雪化粧」が見られた。大阪市は1945年4月7日に氷点下1.4度、京都市は1901年5月1日に氷点下0.3度まで冷え込んだこともある。

 今後はどうか。大阪管区気象台によると、来週にかけ低温傾向が続くが、その後は平年並みに近づく予想といい、「4~5月は、最も気温の上昇が顕著な時期。この先も遅霜などには注意が必要だが、京阪神で氷点下になったり、雪が降ったりする可能性は低い」としている。コートを手放せる日もそう遠くなさそうだ。

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