生活に癒しを求めて最初は犬を飼おうとした埼玉県在住の前川さん（仮名）が2匹の子猫の里親になった。初めての猫飼い、不安はあったが猫たちとの“同居”が想像以上に楽しく、生活に張り合いが出た。そして、保護団体にはその2匹ときょうだいの子猫がまだ残っていることを知り、2匹を引き取ってわずか3週間後に3匹目を迎え入れた。
2018年12月、ひとり暮らしの前川さんはある保護団体が運営するブログを見たのをきっかけに、2匹の保護猫を迎え入れた。地域の野良猫が産んだ4匹のうちの2匹だった。きょうだい猫を引き取った後も、ブログをチェックしていた。すると、2匹のきょうだいである生後6カ月のメス猫が残っていた。それを見た前川さんは“猫飼い歴”は2週間しかなかったが、いてもたってもいられず、3匹目となるその猫を迎え入れることを決めた。トントン拍子に話は進み、その1週間後には“我が家”に招き入れることができた。
後に保護団体から聞いた話だが、「他のお家に行く事になっていたそうですが、出発前にキャンセルとなってしまい、結果1匹だけ残ってしまった」という。
「シェルターに残っていても、また他のお家から声がかかるかもしれないです。でも家できょうだい2匹の仲のいい姿を見ていると、いつ声がかかるかわからないシェルターにいるよりも、やっぱりきょうだいは一緒にいた方が幸せかもしれない…との思いもありました」
一方で「猫飼い初心者の私が3匹のお世話が果たして出来るのか…？という不安も大きかったので、団体の代表さんや周りの人にもしっかりと相談し、金銭面や生活の事もよくよく検討して、最終的に引き取る事を決めました」と葛藤があったという。
とても愛らしい姿から、名前を「アンジュ（天使）」と命名した。
前川さんの家にやってきたアンジュちゃんは、兄猫たちの仲間に入れてもらおうと近づいたが、そのたびに兄猫たちから「シャー」と威嚇されてしまった。前川さんは「抱っこしたりしてまずは私にアンジュの匂いをつけて、そのまま兄猫たちをハグしたりして、匂いに慣れて貰いました」と工夫した。
そのかいあって、1週間後には3匹で仲良く、遊ぶまでになった。前川さんにとってアンジュちゃんは「とにかく一番の食いしんぼう女子。食器棚を開けるだけで、猛ダッシュで飛んできます。たまに与えるご褒美のおやつも誰よりも早く食べて、他の子の分も奪おうとします。他の子の食べ残しもきれいにペロッと食べてくれます。天真爛漫なお転婆で、抱っこされるのが大好きです」と、なくてはならない存在になった。
最初は不安だった3匹飼い、しかし結果は…。「周りからも大変じゃない？とよく聞かれますが、実際は全くそうではなかったです。やっぱりきょうだいという事が大きいのか、大きな喧嘩をする事もないし、そこまで手がかかることもないです。この3きょうだいが、この先もずっと幸せに過ごせるように、この暮らしを守っていきたいと思います」と、3匹の親としての決意を新たにしていた。
