輪切りのパイナップルをイメージした「パインアメ」で知られるパイン株式会社(大阪市天王寺区)が、世界で1台だけのラッピングトラックの運用を始めます。同社公式ツイッターで紹介したところ、<いつか見たい!><全国キャラバンしてほしい><ミニカー化を>といったコメントが続々投稿されています。デザインも担当したという、同社ツイッター“中の人”に話を聞きました。
ートラックはいつから走っているのですか?
「3月23日に弊社の滋賀工場(滋賀県草津市)に到着したばかりで、本格運用は4月からの予定です」
ーしかしデビュー前からすでに話題とはすごいですね。どんな役割を?
「工場と商品倉庫の間で商品を運搬するためのトラックです。運行エリアは滋賀県内のみ。1日5往復する予定です」
-正式な名称は?
「社内での呼び名はただ『トラック』とだけ…。名称は『パインアメトラック』でいいかなと思います。ふわっとできたので、あまりそのへんをちゃんと決めていなくてすみません!」
パインアメが誕生したのは、1951(昭和26)年。当時高級食材だったパイナップルの缶詰の味を手軽に味わってもらいたいと開発されました。2年後の1953(昭和28)年、「菓子まつり協賛コンテスト」に装飾トラックを出品し、1位に輝いた過去も。当時の写真を見ると、右手にパイナップルを抱え、左手にパインアメを掲げた男の子のキャラクターが目を引きます。その後、昭和30年代には、小型トラックに商品名が施されたことはあったものの、今回のような大型トラックへのラッピングは初とのことです。
-デザインはどなたが?
「私です。お菓子の会社なので楽しんでもらえるデザインを考えました。普段から個人的な趣味で絵を描くことが好きなので、パソコンを使って約1日で4パターンを仕上げました。社長を含めた6人での経営会議で最終的に選ばれたデザインです」
-こんなに大きな作品。初めて対面したときは感慨深かったのでは?
「遠くに停まっている姿を見て、思わず駆け寄ってしまいました。パソコン画面ベースでしか見たことがなかったものが、大きな4トントラックとして目の前に現れ、うれしくてかわいくて感動しました」
ー世界で1台だけ?
「1台だけです」
納車日、ウォーミングアップかたがた工場のまわりを1周だけ走行したところ、すでにレアぶりを発揮するエピソードが生まれたそうです。
「トラックの後方を自転車で走っていた女子高生がトラックを猛スピードで追い抜いたんです。前にまわった女子高生は立ち止まり、走り抜けるトラックの前からサイド、後ろまでをじっと見つめていました」
女子高生の健脚ぶりも驚きですが、「見たら幸せになれる」と噂の新幹線の検査車両ドクターイエロー級の注目度と言えそうです。
-パインアメトラックを見かけたら何か起こりますか?
「幸せになる…なったらいいなあと(笑)。みんなが笑顔になる車であればと願っています。見かけたらぜひ写真に撮ってください!」
最後に、SNSには載っていないトリビアを教えてもらいました。
「弊社はよくお得意先から『パインさん』と呼ばれています。そこで、ナンバープレートの数字は、パインさんをもじったナンバー『8103』で取得しました」
もし見かけたら、車体のデザインだけでなく、こだわりのナンバーにも要注目ですね。