土曜の夜8時といえば34年前までチビッ子たちにとっては特別な時間だった。テレビの前にかじりつき「8時だョ!全員集合」を見ていた。週明けの学校では教室でドリフの話でもちきりとなっていた。大人たちもこの時間帯だけはチャンネル権を子どもたちに全権委任、家族で見て笑う国民的な番組だった。TBS系で放送されていたこの公開バラエティ番組は1985年で終了したが、果たして親世代が夢中になった番組は今の子どもたちにもウケるのだろうか。それを実践した親のつぶやきがSNS上で話題になっている。
5歳になる女の子の父であるにゃすたんぐさん(@nyasutangu)が16日にTwitter上に「わが家の5歳児にAmazonプライムの『8時だョ!全員集合』を見せてみたところ……もっと見る!もっと見る!と際限なく言うので『土曜日に1回だけね』とルールを決めたところ『ねえねえ 今日は土曜日だから 全員集合見ようよ!』という声が聞こえてくる昭和94年のわが家です」と投稿した。9.6万件のいいねがつくとともに、リプ欄にはドリフ世代のユーザーから歓喜の声が挙がっていた。
「ガッツリ毎週見ていた世代の者ですが、あの面白さは時代を超えるんですね」
「初代のウルトラマンや仮面ライダーとかを今見ても面白いように人間の本能にくるような作品は不滅ですね」
「我が家の24歳のムスメも昨日、お母さん!Amazonプライムにドリフあるーと歓喜のLINEしてきました(笑)ドリフの笑いは世代を超えて愛されるのですね」
娘さんがどんなところを面白がったのか、にゃすたんぐさんに聞いた。
――娘さんが笑ったコントはどんな場面ですか?
「壁が倒れてきて頭にぶつかるだとか、セットが壊れる系のものは良く笑いますね。見てわかる当たり前におかしいことはよくツッコミを入れています。笛を吹く場面でわざと音を外したところで『音が違うじゃん』とか『わからないのに手を挙げたらだめじゃん』とか『(引っ越しコントで志村けんさんだけがゴミを運んでいて)それゴミじゃん』とか『(忍者コントでそーっと歩かなきゃいけないところで転んで)転んじゃだめじゃん!』とかですね」
――ほかに8時だョ!全員集合を見て影響されたことは?
「エンディングの歌はよく真似しています。『風呂入れよ』『歯磨けよ』『頭洗えよ』『ババンババンバンバン』とよく言っています」
――にゃすたんぐさんもやはり全員集合世代でしょうか
「当時は毎週土曜日が楽しみというくらいに見ていました。親と見るのも楽しかったですが、祖父祖母の家に泊まった時に、祖父祖母と一緒に見て笑えたこと『お前はドリフが好きだねえ』と祖母に言われたを今もはっきりと覚えています。コント自体もそうですが、その全員集合をみんなで見ていた茶の間の空気感を今でも覚えていられる、思い出せることは幸せなことだなと思います」
――2世代でドリフ好き、どんな気持ちですか?
「わが家は基本的に、妻も一緒になるべく家族みんなでテレビを見る時間を作ろうと心掛けています。その時間に放送されている番組ではなく、子どもが見たい番組、親が見たい(見せたい)番組を、録画したり配信で選んだりして、みんなで見ることで、家族で話題を共有できるようにしたいからです。全員集合を見て、けたけた笑っている娘を見ていると、とても幸せな気持ちになりますし、きっと自分の笑顔を、両親や祖父母は、そんな気持ちで見ていたんだな…と今になって思います」
ちなみに娘さんの推しドリフは志村けんだそうです。