新型コロナウイルスの感染拡大に不安がつのるこの頃ですが、そもそもみなさん、コロナウイルスって見たことありますか? フィギュアメーカーの海洋堂(大阪府門真市)がコロナウイルスの展示模型を作っていたことをTwitterでつぶやき、その精巧さと、見た人に「とっても悪いことをしそう」と感じさせる完成度の高さが話題になっています。
投稿したのは、海洋堂の代表取締役社長・通称「海洋堂センム」の宮脇修一さん(@sennmusann)です。「タイムリーなフィギュア」として、大阪大学から依頼を受けて制作した模型を紹介しています。
同社の担当者によると、この模型は2003年のSARS流行時に作成したものとのこと。SARSを引き起こすウイルスもコロナウイルスで、現在流行している新型コロナウイルスとは遺伝子がよく似ています。展示模型を新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真と比較してみると、花弁状の突起が出ていて、王冠(ギリシャ語でコロナ)のように見えるというコロナウイルスの特徴がよく表現されています。
模型は20センチ程度の大きさで、実際のコロナウイルスを200万倍以上の大きさにした感じだといいます。(実物のコロナウイルスの直径は100ナノメートル程度。ちなみにナノメートルとは1メートルの10億分の1です)
同社の造形作家・松村しのぶ氏が「記号からは伝わらない悪者感を醸し出すよう」にデザインしたといい、赤やオレンジ色が毒々しいだけでなく、突起物のシワの入り具合や、内部に見えるぐねぐね具合やら、何やら相当物々しい印象です。同社から提供された検討時の資料やイラストを見ると、単にイマジネーションを膨らませただけでなく、いかに科学的な事実を「悪者らしく」表現するか、思いをめぐりにめぐらせて誕生した造形であることに感銘を受けます。
模型の様子にTwitterでは「キモ感がよく出てます」「ウルトラ的配色」「ウルトラマンの怪獣感!」との声が寄せられており、各種インパクトあるフィギュアたちを作ってきた海洋堂さんのスピリットを、ウイルスの展示模型からもみなさんしっかり感じていそうです。
なお、コロナウイルスなどもあわせて、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルスも「悪者仕立て」で納品されたといいます。
こちらの見た目も、本当に悪そうで…。検討時のイラストも迫力ありまくりです。イマジネーションが広がりますね!
こちらの模型は、大阪大学吹田キャンパス内・大阪大学微生物病研究所にある「微研ミュージアム」内に展示されているそうです。
■微研ミュージアム http://www.biken.osaka-u.ac.jp/museum/