イベントに引っ張りだこ、魔法使いの「まーくん」 転機は父親のガンだった

國松 珠実 國松 珠実

 「お二人の想いが交わり、晴れの日を迎えることができました。ここでこれまでの人生を振り返ってみましょう。もしお二人の人生の選択に1つでもズレがあれば、今日を迎えられなかったかも知れない。祝福に来ている皆さんもここにいなかったかも知れない。皆さんが今ひとつの空間にいるのは、奇跡が積み重なったおかげなのです」と披露宴の席で語るのは、幸せと感動を創る魔法使い、まーくんこと辻真生(まさお)さんだ。彼は、トランプを使って幸せストーリーを紡ぎだすマジシャン。

 続いて新婦は、カードの束からランダムに引いた一枚を客に見せ、再び戻す。シャッフル後に、束の上から新郎が好きな数字の枚数目のカードを引き出す。それは、まさしく先ほど新婦が引いたカードだ。どよめく会場にまーくんは「奇跡の積み重ねと申し上げましたが、どうやらお二人の出会いは運命だったようです」とにっこり。

  子どもの頃からコミュニケーションが苦手だったまーくんにとって、マジックは自分と相手とをつなぐ大切な手段だった。もっと相手に喜んで欲しいと平日はサラリーマン、休日はマジシャンとして活動を続けていた。

 転機は父親のガン。余命1か月だった。「マジックなど、人様をだまして喜ぶな」と息子に一喝した真面目な父が「お前がマジシャンとして大きくなった姿を見たい」と言った。「その言葉がきっかけで、僕は“魔法使い”になった」というまーくんは1カ月後、『ギフト』と名付けたマジックライブを開催。父への感謝を込めたストーリー性のあるマジックに、客は泣いたり笑ったり。会場の雰囲気がひとつになり、まーくん自身も鳥肌が立ったという感動のライブになった。「自分が目指すのは、笑顔と感動を創るマジック」と確信し、「この感動を日本全国に届ける」と宣言。「迷った時は、勇気が必要な選択をすればうまくいく」という言葉にも後押しされ、マジック1本に専念すると決めた。その後はイベントの仕事も増え、憧れのマジシャンと同じステージにも立ったこともある。「自分自身に魔法をかけたかも知れない。父の寿命が1カ月延びたのも、魔法のおかげかな」。

  最近になり、まーくんはルービックキューブのマジシャンTakamiz Usuiこと碓氷貴光さんと、幸せと感動の涙のマジックライブ「Happiness GIFT」(※1)を始めた。日本では珍しい、マジシャン二人が同じステージに立つマジックショーは家族やカップル向け。価格も1グループ何人でも1万円(※2)だ。「動くマジックシアターギフトラ」という軽キャンピングカーで全国に笑顔と感動を届ける企画も進行中。「目の前で繰り広げられるマジックを大切な人と楽しんで欲しい」と語るTakamiz Usuiさんはマジック界のオリンピック「FISM」日本代表の世界的マジシャンだ。二人の一流マジシャンのショーにも注目したい。

※1、※2 名称、価格共に変更の可能性があります

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