36歳のカープOB、指導者で目指す甲子園の夢 島根・矢上高の山本翔監督

あの人~ネクストステージ

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 「カープで野球を学ばせてもらった9年間はもちろんですが、保険会社では人との信頼関係を築くためのコミュニケーションの大切さを学びました。また、小、中学生や大学野球の監督として、あらゆる世代の指導に携われたことも大きかった。いろんな経験がすべて今につながっています」

 カープでは同期に現巨人の大竹、現在は解説者をしている天谷氏らがいた。大卒で入った石原慶はまだ現役を続けている。1軍の厚い壁に阻まれ、華々しいプロ生活とは無縁の9年間だったが、「練習も必死でやったし、やりきったという思いしかない。だからトライアウトも受けませんでした。後悔はありません。苦しかったけど多くの経験と財産を得られました」

 邑南町には家族で移住した。仕事は教育委員会生涯学習課に籍を置き、野球場などの施設管理を担当。終業後に学校へ足を運び、野球部の指導と忙しい日々を送っている。「選手はみんな素直な子ばかり。伸びしろを感じます」と目を細め、「長い間、野球をやってきましたけど、今が一番楽しい。町の職員として地域を活性化するのが僕の仕事でもありますから、早く子供たちを甲子園に連れて行って、町の皆さんにも喜んでもらいたいですね」。夏を見据える山本監督の言葉に力がこもった。

◆山本翔(やまもと・しょう)1984年1月13日生まれ。福岡県北九州市出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。背番号61。福岡・東筑高時代は甲子園出場経験はなし。01年度ドラフト5巡目で広島に入団。9年間現役生活を送り、10年に退団した。家族は妻と2女。

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