マンションの駐車場にいた2匹の子猫たち。近所に住む子供が家に持って帰ると「飼えないから捨てきなさい」と言われてしまった。マンションの敷地内で、なんとか子猫を飼おうとしていたのだが、同じマンションに住む猫好きの近藤さんが引き取ることになった。
猫を返してと言う子供たち
2012年5月、愛知県に住む近藤さんが帰宅すると、中学生の息子さんが洗面所で見知らぬ2匹の子猫を洗っていた。かなり汚れていた。
同じマンションに住む二人の小学生と一人の中学生が近所の駐車場で子猫を拾い、段ボール箱に入れて、どこかで飼おうとしていたのだが、箱から子猫が出てきたところに息子さんが出くわした。息子さんは、子猫を抱き上げて家に連れてきたのだという。
しばらくすると二人の子供たちが家にやってきて「猫を返してほしい」と言った。近藤さんは「返すのはいいんだけど、誰かの家で飼うとか里親を探すとかしないと返せないと言った。
飼えないから捨ててきなさい
翌日、三人の子供たちが「猫を飼えることになった」と言ってきたので、近藤さんは猫を返した。ところが、近藤さんの息子さんが帰ってくると、どこかから猫の鳴き声がした。探してみると浄化槽のところにダンボール箱に入れられた子猫たちがいた。子供たちに返した猫だった。雨が降っていたので、ビニールがかけてあった。
近藤さんは子供たちに「これではかわいそう。飼うんだったら、ちゃんと責任を持って家の中で飼って、ご両親に話をしてきて」と言ったが、「両親に話したが、飼えないから捨ててくるように言われた」と子供たちに打ち明けられた。近藤さんは、猫を飼ったことがなかったが、子猫たちを飼う決心をした。
近藤さんの息子さんが親猫を何度か見かけたと言っていたので、おそらく野良猫の子だと思われた。生後3週間くらいだった。
微笑ましい兄と妹
近藤さんは、ネットで子猫の育て方を調べたり、猫を飼っている友人に聞いたりして、最初は昼夜関係なく、3時間おきにミルクを与えた。1カ月を過ぎた頃、ふやかしたごはんを食べるようになった。食欲旺盛で、子猫たちはすくすく成長した。
男の子はエイトくん、女の子はショコラちゃんと名付けた。
エイトくんは、身体は大きいが甘えん坊。近藤さんが寝ていると顔をなめてきたり、すり寄ってきて布団の中に入れてくれとくっついてきたりする。ショコラちゃんは、おっとりしている優しい子だ。
ショコラちゃんの爪がカーテンや食卓の椅子に引っ掛かって動けない時には、エイトくんが走って助けに行く。猫だんごになってくっついて寝ることもあり、いつも一緒にいるわけではないが仲良く暮らしている。