2011年の年末、猫の保護活動をしている人の家の前に、なぜか子猫がたたずんでいた。福井県に住む山口さんは、いったんは断ったものの里親になった。子猫は成長し、やがて5匹の子猫を産んだが、立派に子育てをした。
雪が降り積もる日に保護主さんの家の前にいた子猫
2011年の年末、福井県で猫の保護活動をしている人の家の前で子猫がニャアニャアと鳴いていた。雪がしんしんと降り積もる寒い日のことだった。生後2カ月くらい。「猫の保護活動をしていると知っている人が置いて行ったのかもしれない」と思いながら子猫を抱き上げ、保護したそうだ。
保護主さんは既に猫を飼っていて、新たに子猫を迎えることはできなかったので里親さんを探した。近所に住んでいた山口さんが猫好きだと知っていた保護主さんは、「猫をもらってくれないか」と電話してきた。しかし、山口さんは、次女が産まれたところだったので「赤ちゃんがいるから難しい」と断った。
子猫を見て心変わり
一度断ったにも関わらず、数日後、保護主さんが子猫を連れて山口さんの家に来た。
「実際に子猫を見てしまうと、可愛い、飼いたいと思ってしまったんです。悩みましたが結局飼うことにしました」
2012年、年明けに子猫を迎え、チャコちゃんと名付けた。
最初は、少しごはんを食べて、食べ終わるとテレビの後ろなどに隠れていた。次第に気を許して自由に振舞うようになり、家の外と中を自由に出入りしていた。チャコちゃんは赤ちゃんには何もしなかった。
5匹の子猫を育て上げる
生後8カ月になった頃、チャコちゃんは妊娠して、5匹の子猫を出産した。チャコちゃんは、誰に教わったわけでもないのに、母乳を飲ませ、排泄の介助をして、子猫たちを育てた。子猫をたちは少し成長すると箱の中から出てきたが、チャコちゃんは、1匹ずつくわえて箱の中に戻していた。みんな無事里親さんが見つかって、生後3カ月くらいの時に譲渡することができた。その後、チャコちゃんは避妊した。
チャコちゃんは、1匹で気ままに暮らしたいタイプ。かまって、かまってとは言わない。お客さんがチャイムを鳴らしただけで隠れてしまうシャイな猫だが、家族には気を許している。