家庭でもできるプログラム
1.粗大運動の不器用さに対するプログラム例
・ラジオ体操をゆっくり行う:運動をゆっくりさせることで、使っている筋肉を意識させる。
・片足立ち:体のバランス能力をアップさせる。
・向かい合ってボールを蹴り:タイミングよくボールを足で止める・蹴るなどを行うことで、筋肉の働くタイミングを学ばせる。
2.指先の不器用さに対するプログラム例
・食器洗いのお手伝い:スポンジで泡立てる、お皿を優しく洗うことで、手や指先の力のコントロールを学ばせる。
・卵を割るお手伝い:卵を握ったまま、殻を割る動作を行うことで、指先に力を入れながら手首をコントロールして使うことを学ばせる。
・塗り絵や糊で貼る遊び:目でしっかりと塗る範囲や糊をつける範囲を確認することで、手と目の協調性を学ばせる。
失敗怖くわざとふざけたり、冗談ばかり…「二次障害」を防ぐには?
二次障害とはある課題や障害が原因となり、新たに起こってくる問題のことを指します。
発達性協調運動障害の子どもが陥りやすい二次障害としては、自尊心や自己肯定感が高まりにくいという問題があります。なぜなら、極端な不器用さから、失敗経験が多くなりやすく「どうせ自分は何をやっても上手くいかない」と思うようになったり、「失敗するのがいやだから、はじめからしない」とすべてのことに消極的になりがちになるためです。
子どもによっては、わざとふざけたり、冗談ばかりを言ってできないことをごまかすようになったりすることもあります。こういった二次障害を予防するために、発達性協調運動障害のある子どもに接する際に気をつけておくべきことがあります。
それは、「どうしてできないの?」や「何回言えば分かるの(できるの)!」といったような言葉は使わないようにすることです。一方で、上手くできたときは、しっかりと成功を認めてあげ、次へのチャレンジの気持ちがわくような声かけをしてあげましょう。
まとめ
・発達性協調運動障害は、明らかな疾病がないにもかかわらず、日常生活に支障が出るほどの不器用さがある状態のことを指し、子どもの6~10%に存在すると言われています。
・不器用さには、全身運動の不器用さと手先の不器用さがあります。
・子ども自身のやる気や努力といったことと、不器用さは直接関係しません。
・運動プログラムは、医師の診察の下、理学療法士や作業療法士などが、課題に合った運動療法を実施することが効果的です。またお家での取り組みも効果的です。
・発達性協調運動障害のある子どもは、失敗経験が多いことから自己肯定感が低くなってしまいがちです。そのため、自信を無くすような声掛けをすることがないよう注意が必要です。