春場所では相撲部屋の宿舎に
老朽化した長居陸上競技場がいったん取り壊されて、1996年に現在のスタジアムにリニューアルされた。その翌年の大相撲春場所から、ある相撲部屋の宿舎に利用されるようになった。
春場所は、3月の第2日曜から第4日曜にかけて行われる。場所が始まる2週間前には親方や力士さんたちがやってきて、場所が終わるまで約1カ月間泊まり込むという。
体の大きな力士さんたちが泊まるのだから貸し切り状態になるのかと思いきや、そうではないらしい。
「一般のお客さんも一緒に泊まっていただけますよ」(大原さん)
しかも特別なサポート体制はとっておらず、布団や枕などの寝具も標準サイズを利用してもらうという。ただし食事は、力士さんたちがキッチン(自炊室)で自炊する。ときには「たくさんつくり過ぎたので、皆さんでどうぞ」と、スタッフにもお裾分けがあるらしい。
毎年どれくらいの人数が泊まり込むのか訊いてみると、「最盛期には15人くらいでしたね。今年は親方の他にお弟子さんが6~7人と、床山さん、行司さん、呼出さんで合わせて10人ほどです。しかも床山さん、行司さん、呼出さんは細々とした用事があって帰りが夜遅いから、ここ3年くらいは近くのウィークリーマンションを借りて、食事のときにここへ通ってきます」(大原さん)。
ちなみに部屋割は、親方が風呂付のファミリールームを1人で使用し、力士さんたちには和室の大部屋が2つ用意される。十両に昇進したら、プライベートルームが使えるそうだ。
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■大阪市立長居ユースホステル https://nagai-yh.com/