大津市の男性が琵琶湖をモチーフに作ったキャラクター「びわこぐま」が誕生から10年余りを迎えた。自治体などの公認は受けず独自の活動を続けるが、ユニークな見た目などから県内外にファンを広げる。男性は「郷土愛と遊び心から続けられている」と話す。
同市比叡平2丁目でデザイン設計会社を営む石津毅さん(52)。誕生のきっかけは、会社が滋賀に所在するとアピールするため、琵琶湖と好きな動物のクマを組み合わせ、名刺にデザインしたことだった。2009年に「ゆるキャラ」ブームに触発され、本格的にキャラクター化。「勝手に琵琶湖と滋賀を応援する」をコンセプトに活動を始めた。
外来魚駆除の釣り大会や、野外音楽フェスなど県内のイベントに着ぐるみで出向き、SNS(会員制交流サイト)で様子を発信。Tシャツやタオルなどグッズも販売する。「顔がかわいい」「見た目がシュール」などと知名度が徐々に上がり、テレビ番組や雑誌でも取り上げられるようになった。
現在、本業が多忙で物販などは減らしたが、イベントへの出演依頼にはできる限り応えている。昨年9月にはファンの結婚式のために東京まで出向いた。石津さんは「びわこぐまは子どものような存在。ゆくゆくは自分の手を離れ、末永く愛される存在になってほしい」とほほ笑む。