レース会場は銭湯!「風呂四駆」が人気 うたい文句は「日本一クレイジーなコース」   

京都新聞社 京都新聞社

 時速約40キロで2台のミニ四駆がコースをかっ飛ばす。1台が急カーブを曲がりきれず、コース外へ。「ポチャ」。小さな車体が飛び込んでいったのは、風呂の中だった。

 京都市右京区西院にある銭湯「旭湯」。ここは年に3回ほど、ミニ四駆の大会会場に姿を変える。名付けて「風呂四駆」。女湯の中を、縦横無尽にプラスチックのレーンが張り巡らされている。1周の距離は約50メートル。洗い場や浴槽を利用して急勾配や急カーブが設けられ、かなりの難コースだ。

 「日本一クレイジーなコース、がうたい文句やからね」と旭湯の店主林勝明さん(58)が笑う。

 第1回は、2017年11月。「銭湯の中をミニ四駆が走ってたら面白いやん」。林さんが、友人のミニ四駆愛好家吉田隆さん(41)=同区、自営業=を誘って始めた大会は、今年12月で7回目を迎えた。会場のユニークさと、難コースがSNS(会員制交流サイト)を通じて愛好者に広まり、今では大阪府や奈良県、四国地域からも挑戦者がやってくる。

 子どもから大人まで皆に楽しんでもらいたいから、出場は無料。回を重ねるたびに参加者が増えて、今では毎回100人以上が集まる。子どもの頃にミニ四駆で遊んだ30~40代や、親子での参加も多い。だれもが真剣な顔で、1分間ほどの勝負に臨む。

 レースが終わったら、掃除までしっかりやるのがお決まり。吉田さんや友人たちが、しっかり消毒まで行って銭湯本来の姿に戻す。「いつか旭湯全体を使ってレースしてみたいね」と林さん。本気で遊ぶ大人たちは、まだまだ走り続ける。

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