天使のようなエゾモモンガの動画が話題 極寒の森の中、無心に命をつなぐ様子が世界を癒やす

広畑 千春 広畑 千春

 その後、本や友人に聞きながら少しずつ生態を学び、冬になると毎年、スノーシューを履いて一日中、ゆっくりのんびり森を歩き回っては、エサを食べた痕やフンを手掛かりに巣穴を探します。「体力的には一番大変ですが、楽しいです」と進さん。「そうやって自分が見つけた巣穴からエゾモモンガが出てきて、撮影できたときは本当に、一番うれしいです」と語ります。

 エゾモモンガは、ユーラシア大陸北部に広く分布するリス科のタイリクモモンガの亜種。成獣になっても体長は平均15cmほどと小柄で、ほぼ完全な夜行性であり滑空距離は数10mから時には100mほどにも及ぶことから、発見や追跡が非常に難しいといわれます。進さんは「そんな愛らしく小さな身体ながらも冬眠することはなく、天敵から身を守りながら厳しい北海道の冬を生き抜く野生動物としての力強さもまた、魅力」とメロメロです。

 写真はSNSで発信し、遠く海外からも反響が。今年10月には写真集「世界一かわいいエゾモモンガ」も発売し、表紙の写真はこれまでのベストショットといいます。「まずは、そのかわいさに打ちのめされてください。そして、こんなかわいい小さな動物が、厳しい自然環境を生き抜いている、野生動物の強さや逞しさを知って欲しいです」と進さん。ただ、そんな北海道でも今年はまだまともに雪も降っておらず、スノーシューを履くこともなく、冬らしさを感じない日が続いているそうです。

 にしても。まるまるもふもふのその瞳は、どこか「お疲れ様。大変だったね」と言っているようにも聞こえてくるような。いろいろあったけれど、もうすぐ今年も終わりですね。皆さん、どうか、来年も良いお年を! そして、どうか、このかわいい天使の暮らしがいつまでも守られますように!

 写真集はhttp://pie.co.jp/book/i/5267/から。

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