2015年9月に埼玉県熊谷市で住民6人を殺害したペルー人、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)に死刑の可能性が消滅したことを受け、妻の加藤美和子さん(41)と小学5年の長女美咲さん(10)、同2年の次女春花さん(7)=年齢、学年はいずれも当時=を殺害された遺族の加藤さん(46)が22日夜放送のBS朝日「日曜スクープ」に生出演。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は23日、当サイトの取材に対し、番組内で明かされた美咲さんに対する「卑劣な行為」や「冷酷な手口」と、減刑理由となった「心神耗弱」との矛盾点を指摘した。
番組では、加藤さんの同意を得て、美咲さんが被告によって性的被害にあっていたことが「卑劣な行為」として裁判資料から明かされた。
加藤さん宅に侵入した被告は美和子さんを殺害してクローゼットに隠した後、学校から帰った美咲さんと春花さんも包丁で殺害。一審の裁判員裁判で「被告は美咲さんの両腕をひものようなもので縛り、口に粘着テープを貼って、殺害前後のいずれかにおいて美咲さん着用の短パンと下着を脱がし、下着に精液を付着させた。(その後)代わりの短パンや七分丈スボンを着用させた」という内容が明示され、「欲望を満たすために大胆な行為に及んだ」という理解も含めて死刑判決に至ったが、二審判決では触れられなかった。
長女への強制わいせつについて、加藤さんは「事件から約1か月後に検察の方からお聞きした。美咲がどんなに怖くて、つらい思いをしたのかと思うと、被告を殺してやりたいと、それしか考えられなかった。『パパ、頑張ったんだけど、死刑判決にできずにごめんなさい』と、毎日お仏壇の前で謝っています」と思いを吐露。高裁で性的被害が触れられなかったことには「到底、納得できない」と訴えた。