熊谷事件で殺害された10歳少女に性的被害も…小川泰平氏が「心神耗弱」との矛盾点を指摘

 遺族側代理人で弁護士の高橋正人氏は同番組で「被告には(相手に)危害を加えられる妄想があったというが、美咲さんが襲ってくる妄想があったとしても、両腕を縛った段階で逃走すればいいにもかからず、強制わいせつをしている。『妄想』では全く説明できない」と分析。小川氏は「精液というものは簡単に出るものではなく、本人に意志がある。しかも下着を脱がせて着替えさせるなど証拠隠滅を図っている。二審の裁判官は何を考えていたのか」と苦言を呈した。

 この「卑劣な行為」と共に「冷酷な手口」も言及された。

 高橋氏は「頸動脈を狙って確実に切れる特殊な方法を取っている。『妄想』では説明できないもう一つのポイント」と指摘。小川氏は「国際捜査課に在職時代、ペルー人やコロンビア人を担当したことがあるが、被告は軍の経験者等から知識を得ていたと思われる。プロの殺しの手口。被告本人は無抵抗の女の子を『一撃で』という思いで行動していたはず」と見解を示した。

 加藤さんは「司法に心を殺されました。もう一度白紙の状態から裁判をやり直してもらいたい。今後、妄想を装った人や、6人殺しても死刑にならないという人が出てきた時に、裁判所は被害者遺族に対して責任を取れるのか」と訴えた。

 小川氏は「被告は逮捕後の警察の取り調べで殺人容疑について黙秘したり否認していたが、雑談には応じている。娘さんの話になると頭を両手で抱えて『その話をするな』といった態度を見せるなど、普通の容疑者と変わらない態度を取っていた。公判では『自分が6人殺したと言えばその6人は生き返るのか?』『ああ、殺したよ』など独り言のような不規則発言が多々あった。公判の通訳は余計な話を訳さないので、私がスペイン語の通訳を連れて行って分かった。公判で事件の核心に触れる部分では同時通訳のヘッドホンを外すなど心神耗弱の行動ではなかった」と補足した。

 今後について、小川氏は「現在、日本全国に死刑囚は112人いますが、無期懲役は1800人近くおり、1年間で7人前後が仮釈放になっている。高裁は無期懲役という判断について、ご遺族や国民に分かる説明責任を。高検も上告しない理由を説明する責任がある」と説いた。

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